アルテミスII試験飛行でサウジアラビアのキューブサットを搭載へ

NASA は 2025 年 5 月 13 日、サウジアラビア宇宙庁(Saudi Space Agency:SSA)のキューブサットを、有人月周回ミッション「アルテミス II(Artemis II)」の試験飛行に搭載する合意を発表しました。合意は同日、リヤドを訪問中の米国大統領とサウジアラビア皇太子ムハンマド・ビン・サルマン殿下の立会いのもと署名されました。

画像出典:NASA/元画像リンク
目次

国際協力で拡がるキューブサットの機会

アルテミス II では、米国を含む複数の国際宇宙機関が SLS(スペース・ローンチ・システム)ロケットの段間リング内部にキューブサットを搭載し、高度約 40,000 km の高地球軌道で放出する計画です。NASA はこれまでにドイツ航空宇宙センター(DLR)、韓国航空宇宙庁(KASA)とも協定を締結しており、SSA は 3 か国目の参加となります。

サウジアラビア機のミッション概要

SSA のキューブサットは靴箱サイズ(約 10×20×30 cm)で、地磁気圏から月軌道へ向かう途中の環境を詳しく調査します。観測項目は次のとおりです。

  • 太陽放射線と宇宙線による線量率(放射線量)
  • 太陽 X 線および高エネルギー粒子のフラックス
  • 磁場強度と変動

取得データは、宇宙天気予報の高精度化や将来の有人深宇宙探査における放射線防護策の検討に役立てられます。

アルテミス II と今後の展望

アルテミス II は1972 年のアポロ 17 号以来、初めて人類を月へ送り出す段階的計画の第二ステップにあたり、4 人の宇宙飛行士が10 日間かけて月を周回して帰還します。NASA は「パートナー各国と共に小型衛星を飛行させることで、科学技術の裾野を広げ、月面探査や将来の火星有人ミッションへの知見を深める」としています。

参考・出典

翻訳:宙クリップ編集部

宙クリップ

このページへの情報のご提供、内容への修正、削除依頼はこちらから

お名前
必須

このページの内容にかかわる権利を所有する方ですか?

メールアドレス
必須
ページURL
修正内容
必須
修正内容にかかわる URLなどがございましたら、お書き添えください。
解除
修正内容に関わる資料などがございましたら、添付してください。
予期しない問題が発生しました。 後でもう一度やり直すか、他の方法で管理者に連絡してください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次