6月21日は、一年のうちで最も夜の時間が短くなる夏至です。6月下旬は、日没時刻が最も遅くなる時期でもあり、空がようやく暗くなった頃には、西の空に赤みを帯びた火星の姿が見られます。空全体を見渡すと、春の星座が西の空へと傾き、東の空からは夏の星座が昇り始めているのがわかります。
夜が更けてくると、東の地平線から土星が姿を現し、さらに未明には金星が昇ってきて、明け方には東の空でひときわ明るく輝きます。月がこれらの惑星に近づくタイミングもあり、惑星と月の共演にもぜひ注目してみてください。

1日 | 金星が西方最大離角 |
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3日 | 上弦 |
5日 | 芒種(太陽黄経75度) |
11日 | 入梅(太陽黄経80度) / 満月 |
19日 | 下弦 |
21日 | 夏至(太陽黄経90度) |
25日 | 新月 / 木星が合 |
惑星の見どころ

水星
日の入り後の北西の低空に見えます。中旬以降は徐々に高度を上げ、東京では18日から日の入り30分後の高度が10度を超えるため、比較的見つけやすくなります。18日から月末にかけての明るさは、マイナス0.4等から0.3等へと変化します。

金星
日の出前の東の空に輝いています。1日には西方最大離角を迎え、明るさはマイナス4.4等からマイナス4.2等と非常に明るく、目立つ存在です。

火星
しし座を順行で東に移動中です。宵の西の空で観察でき、明るさは1.2等から1.5等へと変わっていきます。

木星
宵の北西の低空に見られますが、25日に合を迎えたあとは、日の出前の北東の低空に移動します。太陽に近い位置にあるため、観察は難しい時期です。

土星
うお座を順行中で、日の出前の南東の空に見えます。明るさは1.1等から1.0等へとわずかに変化します。
※国立天文台Webサイトより引用
月が火星に接近

月が火星と接近
宵の空が暗くなり始める頃、西の空には赤みを帯びた輝きを放つ惑星、火星が見えています。6月1日には、この火星に月が接近して見える注目の天体ショーが起こります。
1日の夕方には、太陽が沈む前から、半月よりやや細い月が南西の青空に浮かんでいるのが確認できるでしょう。日没後、空が暗くなるにつれて、西の空に位置を移した月の左下あたりに火星が姿を現します。
月と火星が最も接近して見えるのは、21時頃(東京の場合)で、このとき両天体の中心同士の角度(離角)は約37分角となります。ただし、月の明るい縁と火星との間隔はさらに狭く、約21分角です。ちなみに、このときの月の見かけの直径はおよそ31分角ですので、月の大きさと比較してもかなり接近して見えることがわかります。
この現象は肉眼でも十分に楽しめますが、双眼鏡を使うことで、よりくっきりとした姿を観察することができるでしょう。夜空に並ぶ月と火星の共演を、ぜひ見上げてみてください。
月が土星、金星に接近

未明の空で月が土星と金星に相次いで近づく
6月後半になると、夜半を過ぎた頃に東の空へ土星が昇り始め、明け方にかけて南東の空高くへと上っていきます(東京基準)。さらに、2時を過ぎた頃には、明けの明星・金星も東北東の空に姿を現し、ひときわ明るい光で輝きます。
6月19日から23日にかけては、月がこれらの惑星に接近する様子を観察することができます。まず、月が土星に最も近づくのは19日の未明(18日の深夜を過ぎた頃)です。この日は下弦の月で、半分に欠けた月が土星のそばで静かに輝く姿を楽しめるでしょう。
その後、月は25日の新月に向けて日を追うごとに細くなりながら東の空を移動していきます。22日から23日にかけては、細くなった月が金星に近づき、夜明け前の空で美しい共演を見せてくれます。明けの明星と呼ばれる金星のまばゆい光と、かすかに光る細い月が並ぶ光景は、静かな明け方の空にひときわ印象的なアクセントを添えてくれるでしょう。