「冥王星のハート」──ニュー・ホライズンズ撮影から10年

NASA は 2025 年 7 月 14 日、ニュー・ホライズンズ探査機が 2015 年 7 月 14 日に撮影した冥王星の自然色画像を公開10周年として再掲しました。これは最も正確な“真の色”を再現するよう再較正されたデータで、冥王星表面の明暗差や色彩を人間の視覚に近いかたちで示しています。

画像出典:NASA/Johns Hopkins APL/Southwest Research Institute/元画像リンク
目次

“ハート”=トンボー領域とは?

冥王星の右下に広がる明るいハート形はトンボー地域(Tombaugh Regio)で、西側のスプートニク平原(Sputnik Planitia)は窒素氷が対流し続ける若い氷原、東側は高地に降り積もった窒素氷の台地です。探査後の解析で、内部熱や大気循環が複合的に作用し、氷の流動と再堆積を引き起こしていることが判明しました。

10 年で見えてきた冥王星の進化

  • 氷の年代:クレーターがほぼ無いスプートニク平原は 1,000 万年未満と推定。氷は今も対流で入れ替わる。
  • 地下海の可能性:重力データと数値モデルは、半径数百 km の液体水層を示唆。
  • 大気と季節変化:窒素・メタン大気は極低温で凍結と昇華を繰り返し、地表に霜を堆積させるサイクルを作る。

ニュー・ホライズンズのその後

探査機は現在も太陽系外縁部を航行し、クイプラ帯天体 486958 アロコス(2019 年フライバイ)以降も遠距離観測を継続中です。エクステンデッドミッションでは星間塵環境の測定や更なる接近天体探索が計画されています。

参考・出典

  • NASA Image Article「10 Years Ago: NASA’s New Horizons Captures Pluto’s Heart」(2025-07-14) [oai_citation:4‡NASA](https://www.nasa.gov/image-article/10-years-ago-nasas-new-horizons-captures-plutos-heart/?utm_source=chatgpt.com)
  • Wikimedia Commons: Nh-pluto-in-true-color_2x_JPEG-edit.jpg(画像メタデータ) [oai_citation:5‡ウィキメディア・コモンズ](https://commons.wikimedia.org/wiki/File%3ANh-pluto-in-true-color_2x_JPEG-edit.jpg)
  • Wikipedia「Tombaugh Regio」ほか(地形・年代) [oai_citation:6‡ウィキペディア](https://en.wikipedia.org/wiki/Tombaugh_Regio?utm_source=chatgpt.com)

原文筆者:Monika Luabeya(NASA)

翻訳:宙クリップ編集部

宙クリップ

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