NASAは2025年7月30日公開の画像記事で、月のハドレー–アペニン地域(Hadley–Apennine)を写した一枚を紹介しました。写真は2022年5月8日、NASAエクスプロレーション・グラウンド・システム(EGS)計画責任者のショーン・クイン氏が撮影したもので、画面右側に広がる明暗境界付近には、アポロ15号の着陸地点が山影の縁近くに位置しています。この記事のタイトル「Looking Forward to the Moon」は、アポロの先駆に学びつつアルテミスで月面探査を長期的に発展させていく決意を重ね合わせたものです。

目次
ハドレー–アペニン地域とは
雨の海の縁にそびえるアペニン山脈と、その麓に刻まれたハドレー谷(ハドレー溝)周辺は、月の地質多様性を象徴する場所です。1971年のアポロ15号はこの地に着陸し、月の火山活動や玄武岩・山地物質の起源を探る試料を持ち帰りました。今回の画像はその名所を斜めに横切る明暗の境界(ターミネーター)をとらえ、地形の凸凹を強調しています。
アルテミスで「前進」を
NASAはアルテミス計画で、国際・商業パートナーとともに月での長期滞在と科学探査を進め、将来の火星探査につながる技術と運用能力を実証します。アポロで切り開かれた道を受け継ぎながら、より持続的で包摂的な月探査へ――そのビジョンを、この静かな月面の一部に重ね合わせています。
参考・出典
- NASA Image Article「Looking Forward to the Moon」(2025年7月30日公開)
https://www.nasa.gov/image-article/looking-forward-to-the-moon/ - 解説本文(撮影者・撮影日・地域・アポロ15号着陸地の記載)は上記NASA記事に基づく
- アルテミス計画 概要ページ(NASA Humans in Space / Artemis)
https://www.nasa.gov/humans-in-space/artemis/
原文筆者:Tiffany L. Fairley(NASA)
翻訳:宙クリップ編集部