【登壇レポート】YOUTRUST主催イベントにTellus・宙畑・スペースシフトが登壇――AIが拓く新たな宇宙産業の可能性を議論

株式会社Tellus(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:山崎秀人、以下、Tellus)のCOO・牟田 梓と、オウンドメディア『宙畑 -sorabatake-』編集長・中村 友弥は、2025年9月19日(金)開催のYOUTRUST主催「プロダクトヒストリーカンファレンス2025」に登壇しました。株式会社スペースシフト CTO・元村 和史氏も参加し、「宇宙データ最前線:AIが拓く新たな宇宙産業の可能性」をテーマに、AI時代における衛星データ活用の最新動向と今後の展望について意見を交わしました。

目次

登壇イベント 概要

イベント名プロダクトヒストリーカンファレンス2025(YOUTRUST主催)
日 時2025年9月19日(金)
セッション宇宙データ最前線:AIが拓く新たな宇宙産業の可能性
登壇者牟田 梓(Tellus COO)/中村 友弥(『宙畑 -sorabatake-』編集長)/元村 和史(スペースシフト CTO)

AI×衛星データの取り組みについて

セッション冒頭では中村編集長が、衛星観測の基礎を整理。波長による見え方の違いや、干渉SARで地表の微小変化を捉える仕組みを紹介し、食品業界を含む活用領域の広がり、そして1日50TB超に及ぶ膨大なデータ量に触れ、AI活用の不可欠性を強調しました。

続いてTellusの牟田が、8月末にリリースした新サービス「Tellus AI Playground」を紹介。①プラットフォームに集約された膨大な衛星データ、②衛星データに適した基盤モデル、③高性能GPUの提供――を組み合わせた環境であると説明し、「衛星データに関心があり自社業務への適用を検討する方々に、使いやすい実行基盤を提供したい」と述べました。加えて、メガソーラー施設の発見や浸水エリア抽出といった事例を提示し、防災などの社会課題解決に資する技術である点を再確認しました。

参考:

スペースシフトの元村氏からは、直近リリースの「遊休農地探索AI」および「建物変化検知AI」を例に、AI×衛星データの実運用可能性と有用性を紹介。

参考:衛星データ×AI解析の標準パッケージ化(建物変化検知AI/遊休農地探索AI)

AI×衛星データの未来について

後半は「AI×衛星データの未来」をテーマに議論。元村氏は「衛星データを使っていることを意識せずに活用できる未来」を掲げ、AIが複雑な前処理を肩代わりし、地球上の出来事を直観的に把握できる世界観を提示。質疑応答に応じて解析結果や関連ニュースを表示するデータアプリの試作画面を用い、広く地球を理解できる将来像を語りました。

牟田は、増え続ける観測データとAIを組み合わせ、将来的に「地球のデジタルツイン」のような世界が見えてくると展望。衛星データを学習したAIによるテキスト起点のイメージ生成機能の開発に言及し、誰もが解析にアクセスできる環境を目指すと説明。さらに、従来はハードルの高かった「タスキング(衛星への撮影依頼)」をTellus上でワンストップ化する新機能を近く公開予定であることを明らかにしました。

10~20年後の展望に関して、元村氏は「地球状態の観測は一段と精緻化し、AI解析結果が大量に生産される。生成AIがそれらを分かりやすく解釈し、異常気象などの因果をデータに基づき把握、具体的アクションにつなげられる社会が到来する」と述べました。

登壇者プロフィール

株式会社Tellus COO 牟田 梓

神奈川県出身。東京工業大学修了。学生時代は研究室で超小型衛星開発に従事。 卒業後は日本電気株式会社に入社。地球観測衛星の機械系エンジニアとして6年間従事したのち、海外への衛星拡販を担当。 現在は、衛星データプラットフォーム「Tellus」のビジネス開発を行う。 また、宇宙ビジネスメディア「宙畑」にて企画・編集を担当する。

「宙畑-sorabatake-」 編集長 中村 友弥

2017年に宇宙ビジネスメディア「宙畑」の立ち上げに関わり、2018年に宙畑が衛星データプラットフォームTellusのオウンドメディアとなったタイミングで編集長に就任。2019年には宙畑の立ち上げメンバーと株式会社sorano me(代表取締役:城戸彩乃)を共同創業し、宇宙技術の利活用促進に従事。著書に『宇宙ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)がある。

株式会社スペースシフト CTO 元村 和史 氏

学部では航空宇宙工学を専攻し、大学院では衛星海洋学を専攻。九州大学大学院修了後、一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC)にて、国内外の様々な衛星センサを用いたプロジェクトを担当。商船三井システムズ株式会社では外航海運グループにおけるICT戦略の立案および推進を担当し、特に事業部門向けAIシステム導入の企画から研究開発、導入を推進。 その後、三菱総合研究所にてAI技術の衛星データへの適用に関するプロジェクトのほか、国内外の関連技術・政策動向の調査、研究開発法人等の研究開発計画の立案とその推進等を担当。2023年にリードセールスエンジニアとして入社し、合成開口レーダー(SAR)衛星を用いたAIアルゴリズム開発等を推進。技術開発部長を経て現職。日本リモートセンシング学会「リモートセンシング事典」(丸善出版)の物体検出および超解像の項目を執筆。

株式会社Tellusとは

株式会社Tellus(テルース)は、2021年に創業したSpace Data Tech企業で、「宇宙産業を次の日本の基幹産業へ」というミッションのもと、衛星データプラットフォーム「Tellus」の開発・運営を行っています。主力サービスの「Tellus」は、政府・商業を含む多様な 44 種類の衛星データと 4 種類の地上データを取り扱い、日本最大級の規模を誇ります。API形式で即座に活用できる利便性が評価され、現在の利用登録者は 41,739 名(※1)、年間ダウンロード数は 53 万シーンを突破し、順調に成長を続けています。今後も株式会社Tellusは、IT・AIを駆使した衛星データの環境およびインフラをアプリケーションプロバイダーへ提供し、新たなビジネス創出を支援するとともに、国内外に「Tellus」を展開。宇宙情報産業市場の拡大と、宇宙産業の基幹産業化に貢献してまいります。

会社名株式会社Tellus / Tellus Inc.
所在地東京都新宿区西新宿七丁目20番1号
代表取締役社長山崎 秀人

※1:2025年6月末時点

宙クリップ

このページへの情報のご提供、内容への修正、削除依頼はこちらから

お名前
必須

このページの内容にかかわる権利を所有する方ですか?

メールアドレス
必須
ページURL
修正内容
必須
修正内容にかかわる URLなどがございましたら、お書き添えください。
解除
修正内容に関わる資料などがございましたら、添付してください。
予期しない問題が発生しました。 後でもう一度やり直すか、他の方法で管理者に連絡してください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次