「人類が太陽系内を自在に移動し、星を単位とする生き方が当たり前になっている世界」をビジョンに掲げ、月・火星以遠を目指す宇宙機器開発と関連事業の展開、および非宇宙・異業種企業の参入支援を行う株式会社ALTILAN(本社:静岡県浜松市、代表取締役CEO:永利光、以下、ALTILAN)の代表・永利光は、美術作家・山上渡氏とのコラボレーション作品を制作し、2025年11月8日から開催される「種子島宇宙芸術祭2025」に出品・展示することを発表いたします。

1. 15年来の想いを形にする、永利のタイタンへの情熱
永利光は、土星の衛星タイタンに魅せられて以来、15年以上にわたりこの星を追い続けてきました。タイタンは太陽系内で唯一、地球以外に表面に液体が存在する天体であり、メタンの海が広がる神秘的な世界です。この未知なる星への憧憬が、永利の原動力となっています。
大学では宇宙物理を学び、学外でも一貫して宇宙に関わり続けてきました。その後は大学院で得たシステムズエンジニアリングの知見をもとに、新規事業開発のプロフェッショナルとして経験を積み上げてきています。
そして2024年5月、「誰もが行きたい星に行ける世界・時代」の実現を目指し、ALTILANを設立。タイタンへの到達を人生の目標として掲げる一方で、その想いを物語として表現する活動にも取り組んでいます。
現在執筆中の小説「タイタンの星火」および長編「星鉄(ほしがね)の導き」は、タイタンを中心に、誰もが太陽系内の星々を行き来できる時代における若い世代の挑戦と選択を描く作品です。この物語の世界観を、種子島という日本の宇宙開発の聖地で、アート作品として具現化することが今回の取組みの核心です。
永利 光(ながとし ひかる)

首都大学東京(現:東京都立大学)宇宙物理実験研究室を卒業。その後、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科に進学し、システムズエンジニアリングを専攻。S&MAを研究テーマとし、複雑なシステムの品質保証およびアシュアランスケースに関する論文を執筆。
学生時代から宇宙に関する活動を始め、2017年に宇宙開発フォーラム実行委員会(SDF)代表を務め、翌年にJAXA派遣学生としてIAC2018に参加。新規事業開発を専門とする株式会社Relicに入社後、複数の新規事業プログラムの設計及び運営を支援。また、大手通信キャリアや機器メーカーの新規事業開発を支援。
2023年1月にRelicの浜松拠点を立ち上げ、拠点長として地域の事業創出を推進。2024年5月、株式会社ALTILANを設立し、「誰もが行きたい星に行ける世界・時代」の実現を目指し、宇宙機器開発や宇宙事業への参入支援を開始。システムズエンジニアリングの体系的な方法論と、現場で培った新規事業開発のノウハウを融合し、新たな宇宙ビジネスの創出を推進中。
2. 山上渡氏とのコラボレーション ―「増殖と変容」が生む新たな宇宙観―
美術作家・山上渡氏は、「増殖と変容」を大きなテーマの1つとして、絵画、立体、インスタレーション、パフォーマンス、舞台美術といった多様な表現手法を用いるアーティストです。
永利の物語に登場する「星鉄(ほしがね)」という概念は、まさに山上氏が追求してきた「増殖と変容」のメタファーとして共鳴します。タイタンという極限環境を地球上に再現し、来場者に宇宙への新しい視点と問いかけを提供する―この壮大な試みを、両者のコラボレーションによって実現します。
山上 渡(やまかみ わたる)

1981年高知県生まれ、長野県育ち。絵画、立体、インスタレーション、パフォーマンス、舞台美術など多様な表現手法を用い、「増殖と変容」「境界の接続」を主要なテーマとして、自身と世界との関係性を探る作品を制作している。
「この世界は入れ子状に結びつき、万物は何らかの関係性を有し、すべては無限に接続可能である」という作家自身の想像から生まれた《セカイノセカイ》シリーズでは、漂流物や粘菌、鉱物、宗教的儀礼や原始崇拝、遺跡やオーパーツ、映画のワンシーンといったモチーフに、各地で観察した風景をブリコラージュ的に取り込み、それらを混交させることで世界像を構築している。
2009年、第12回岡本太郎現代芸術賞にて特別賞を受賞。2013年、東京ミッドタウンアワードにおいて準グランプリおよびオーディエンス賞を受賞。2019年には文化庁新進芸術家海外研修制度により、インドネシア・ジョグジャカルタに1年間滞在。
3. 種子島宇宙芸術祭という舞台の意義
種子島宇宙芸術祭は、JAXA種子島宇宙センターを有する種子島を舞台に、宇宙とアートの融合を探求する芸術祭です。日本の宇宙開発の最前線である種子島という特別な場所で、科学技術と芸術文化の交差による新たな価値創造が取り組まれています。
| 開催名称 | 種子島宇宙芸術祭2025 |
|---|---|
| 開催期間 | 2025年11月8日(土)~11月24日(月・祝)※土日祝日のみ |
| 開催時間 | 18:00~22:00(予定) |
| 場所 | 鹿児島県熊毛郡南種子町(種子島宇宙センター内 ほか) |
| 主催 | 種子島宇宙芸術祭実行委員会 |
| 共催 | 南種子町、南種子町教育委員会、南種子町商工会ほか |
| 協力 | 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) |
| 公式サイト | https://satfes.jp/ |
永利光にとって、種子島は特別な意味を持つ場所です。宇宙への扉であり、ロケットが打ち上げられる聖地。そして、タイタンへの道の第一歩が始まる場所。この地で作品を発表することは、物語を現実へと近づける象徴的な行為でもあります。
4. ストーリードリブンの宇宙ビジネス創出の実践
ALTILANでは、「ストーリー」を起点とした宇宙ビジネス創出に取り組んでいます。宇宙ビジネスへの参入に際して、初期段階から大規模な投資を行うのではなく、企業が持つ本質的な価値や歴史を出発点とし、宇宙に挑戦する必然性を段階的に構築するアプローチです。
企業が培ってきた想いや大切にしてきた価値観、独自の強みを丁寧に掘り起こし、それらが宇宙というフィールドでどのように活かされ、どのような未来につながるのかを物語として描き出していきます。
この考え方については、代表の永利が執筆したnote記事「ストーリーを起点に生み出す宇宙ビジネス」にて詳しく解説しています。なぜ「ストーリー」が宇宙ビジネスの成否を左右するのか、どう構築していくのかを具体例とともに紹介しています。
このアプローチにより、社内外のステークホルダーに対して高い説得力を持つことができ、経営層の意思決定、社内の理解と共感、投資家やパートナー企業への説明、さらにはメディアへの発信まで、多岐にわたる局面で効果的に機能します。
今回の種子島宇宙芸術祭での作品コラボレーションは、この理論の実践例でもあります。永利のストーリー創造力と山上氏のアート表現が融合し、「宇宙×芸術×物語」による価値創出モデルを社会に提示します。
これまでの事例:スペースジムニープロジェクト
ALTILANではこれまでに「スペースジムニー」プロジェクトを実施。宇宙で走行している姿をイメージしたラッピング車両「スペースジムニー」を製作し、展示・体験イベントの開催、浜松市内の小中学校への出張講演などを通じて、地域の子どもたちに宇宙への関心を広げる取り組みを行ってきました。
スペースジムニープロジェクト詳細:
https://altilan.co.jp/works/space-jimny
今回の芸術祭出展は、この取り組みをさらに発展させ、「宇宙×アート」の分野で新たな価値を創造する試みでもあります。
5. 個人の想いと企業ビジョンの融合
本プロジェクトは、永利個人の活動でありながら、ALTILANとしても全面的に支援・推進する取り組みです。これは、同社が掲げる「人類が太陽系内を自在に移動し、星を単位とする生き方が当たり前になっている世界」というビジョンを、アートという表現を通じて社会に発信する試みでもあります。
企業の経営者として方向性を定めながら、一人の人間としての創造力や情熱をもって新たな表現に挑戦する。その姿勢そのものが、ALTILANの独自性を象徴しています。
今後の展開
作品の制作は2025年10月より本格的に開始し、同年11月開催の「種子島宇宙芸術祭」での公開を予定しています。あわせて、小説『星鉄(ほしがね)の導き』の一部も芸術祭にて公開し、以後も順次更新を続けていきます。
本プロジェクトを契機に、ALTILANは「宇宙×アート×ストーリー」という新たな領域での事業展開をさらに加速させ、非宇宙企業の宇宙産業参入を支援する新しいモデルケースとして確立を目指します。
会社情報
| 商号 | 株式会社ALTILAN |
|---|---|
| 企業URL | https://altilan.co.jp/ |
| 設立 | 2024年5月1日 |
| 代表取締役 | 永利 光 |
| 所在地 | 〒430-0933 静岡県浜松市中央区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F |
| 事業内容 | ・月・火星以遠を目指す宇宙機器の開発、打上げ及び運用 ・上記に伴う宇宙機器および要素技術の開発・検証 ・取得した宇宙データを活用したサービスの提供・販売 ・宇宙ビジネスに関するコンサルティング等 |

