9月の初めには、夜明け前の空で月が火星、木星に近づきます。9月半ばには夕方の空で月が金星に近づき、月末には満月が土星と接近する様子も見られます。25日は中秋の名月です(天文学的な満月は27日で2日ずれます)。また19日には金星が最大光度(−4.8等)を迎えます。この頃になると、夜も過ごしやすくなってくるでしょう。虫の音に耳を傾けながら、夜空を眺めてみてはいかがでしょうか。

| 1日 | 二百十日 |
|---|---|
| 4日 | 下弦 |
| 7日 | 白露(太陽黄経165度) |
| 11日 | 新月 / 天王星が留 |
| 19日 | 上弦 / 金星が最大光度(マイナス4.8等) |
| 20日 | 彼岸の入り |
| 23日 | 秋分の日 / 秋分(太陽黄経180度) |
| 25日 | 中秋の名月 |
| 26日 | 海王星が衝 |
| 27日 | 満月 |
惑星の見どころ

水星
日の入り直後の西の低い空に位置しています。見かけの位置が太陽に近いため、観察は難しいでしょう。

金星
日の入り後の西の低い空で明るく輝き、19日に最大光度となります。明るさはマイナス4.6等からマイナス4.8等です。下旬になると高度が下がり、見つけにくくなります。

火星
ふたご座からかに座にかけての領域を東へ移動しています(順行)。日の出前の東の空に見え、明るさは1.2等から1.1等です。

木星
かに座からしし座にかけての領域を東へ移動しています(順行)。日の出前の東の空に見え、明るさはマイナス1.8等からマイナス1.9等です。

土星
うお座からくじら座にかけての領域を西へ移動しています(逆行)。真夜中の南東から南の空に見え、明るさは0.5等から0.4等です。
※国立天文台Webサイトより引用
月が火星、木星に接近

明け方の空で、月が火星と木星に接近
夜明け前の東の低い空には、明るい木星が見えています。空のやや高いところ、ふたご座のカストル、ポルックスの近くには、赤っぽく見える火星があります。
9月7日には、火星と月が並んで見えます。月は9日には木星にも接近します。
月と木星は、地平線から昇る前の2時頃に、満月の見かけの直径(0.5度)よりやや近い0.46度まで近づきますが、月の出の頃にはもう少し離れて見えます。東京での月の出は2時50分です。この頃から東の地平線付近を見ていれば、木星を追いかけるように昇ってくる細い月を見つけられるかもしれません。観察には双眼鏡がお勧めです。
月が金星に接近、金星が最大光度

宵の明星と月の共演
9月14日、日の入り後の西の低い空で、金星と細い月が近づいて見えます。マイナス4.8等で輝く金星と、細くても存在感のある月の共演は、目を楽しませてくれるでしょう。日の入り後、空が少し暗くなったら、すぐに西の空を見てみましょう。

金星が最大光度
年初から日の入り後の西の空で「宵の明星」として輝いてきた金星は、9月19日に最大光度を迎え、マイナス4.8等という明るさで輝きます。澄んだ空では、昼間の青空の中でも肉眼で見つけられるほどです(白昼の金星を観察する際は、誤って太陽を見ないよう十分に注意してください)。
この頃の金星を望遠鏡で観察すると、三日月を思わせるような、細く欠けた姿をしています。
満ち欠けし、明るさを変える金星
金星は、地球よりも内側を公転している惑星です。地球から見ると、太陽に照らされている面の見え方が変わるため、満ち欠けをしているように見えます。さらに、地球からの距離が大きく変化することで、金星の見かけの大きさも変わります。

地球から見て金星が太陽の向こう側に位置する「外合」の頃、金星は太陽の光が当たっている面のほぼ全体を地球に向けており、丸く満ちた姿に見えます。しかし、地球から金星までの距離は遠く、金星の視直径は小さくなります。そのため、明るさはマイナス3.9等ほどにとどまります。
外合を過ぎ、金星の見かけの位置が太陽から離れていくにつれて、地球の側へ回り込んでくる金星の、太陽の光が当たっていない陰の部分が地球から見えるようになります。そのため、金星は少しずつ欠けて見えるようになります。たとえば、金星の見かけの位置が太陽から最も離れる「最大離角」の頃には、半月のような形に見えます。見かけの形が変化すると同時に、地球に近づくにつれて金星の視直径は大きくなっていきます。この兼ね合いによって、金星の明るさは徐々に増していきます。
「最大光度」の頃は、地球から見える金星面のうち、太陽の光が当たっている部分は4分の1ほどです。細く欠けた形に見えますが、視直径は外合の頃に比べて4倍近くも大きく見えるため、最も明るく見えることになります。
金星は、10月24日に地球から見て太陽の手前に位置する「内合」となります。この時、金星の視直径は最大になりますが、新月のようにほぼ陰の部分を地球に向けているため、金星は一時的に暗くなっているはずです。こうした金星の満ち欠けは、約1年7カ月(583.9日)の周期で繰り返されます。
明るい金星は、空の低い位置にあっても存在感があります。機会があれば望遠鏡を使って、金星の形の変化を観察してみてください。ただし、金星の位置が太陽に近い時期は、誤って太陽を見てしまうと大変危険です。観察の際には十分に注意してください。
水星より少し高い空には、赤みを帯びた特徴的な惑星である火星が見えます。また、近くにはふたご座やオリオン座の明るい星々があり、目印になるでしょう。とはいえ、白みはじめた空の中では、星を探すのも難しくなります。そのため、双眼鏡を使うと見つけやすくなるでしょう。ただし、太陽を双眼鏡で見ることがないよう、日の出前には必ず観察を終えるようにしてください。
金星のこよみ
| 2026年8月15日 | 東方最大離角 |
|---|---|
| 2026年9月19日 | 最大光度 |
| 2026年10月24日 | 内合 |
| 2026年11月30日 | 最大光度 |
| 2027年1月4日 | 西方最大離角 |
| 2027年8月12日 | 外合 |
中秋の名月

今年は中秋の名月と満月が2日ずれている
026年の中秋の名月は、9月25日です。「中秋の名月」とは、太陰太陽暦の8月15日の夜に見える月のことを指します。中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われています。日本では中秋の名月が農業の行事と結びつき、「芋名月」などと呼ばれることもあります。
今年は9月25日が中秋の名月で、翌々日の27日が満月となり、名月と満月の日付が2日ずれています。太陰太陽暦では、新月(朔)の瞬間を含む日が、その月の朔日(ついたち)になります。今年は9月11日(新月の瞬間は12時27分)が太陰太陽暦の8月1日にあたるため、9月25日が太陰太陽暦での8月15日となります。一方、天文学的な意味での満月(望)は、地球から見て太陽と反対方向になった瞬間の月を指し、満月の時刻は9月27日01時49分です。中秋の名月と満月の日付がずれることはしばしばありますが、今回のように2日ずれるのは少々珍しいことです。詳しくは、国立天文台暦計算室ウェブサイトの「名月必ずしも満月ならず」をご覧ください。
さらに、日本独自の風習として、太陰太陽暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、お月見が行われてきました。十三夜は「栗名月」や「豆名月」と呼ばれるほか、中秋の名月「前の月」に対して「後(のち)の月」、中秋の名月と合わせて「二夜(ふたよ)の月」とも呼ばれます。2026年の十三夜は、10月23日です。
月が土星に接近

満月と土星が並んで見える
2026年の中秋の名月は9月25日ですが、月の天文学的な意味での満月(望)は27日です。この日、月は土星に近づいて見えます。中秋の名月を楽しまれた方は、月がさらに土星に近づいていることに気づくでしょう。0.4等級の明るさの土星でも、満月のそばでは目立ちにくいかもしれません。

