NASAは、有人月探査計画「アルテミスII」で使用されるオリオン宇宙船が、燃料充填と最終的な地上処理の準備を整えたと2025年5月5日に発表しました。

フロリダ州ケネディ宇宙センターの「マルチペイロード・プロセッシング・ファシリティ(MPPF)」において、技術者チームは今後数週間をかけて推進システムの燃料と酸化剤の充填を行う予定です。これには、宇宙船の地球帰還時に必要な姿勢制御および減速操作を行うエンジンシステムへの充填も含まれます。
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飛行に向けた重要なマイルストーン
オリオン宇宙船はすでに打ち上げ構成への組立を終えており、アルテミスIIの主要構成要素である乗員モジュール、サービスモジュール、打ち上げ中止システムがすべて統合された状態にあります。NASAによれば、燃料充填と地上試験の完了後、宇宙船は「探査上段モジュール(ICPS)」や「スペース・ローンチ・システム(SLS)」との結合準備が進められるとのことです。
アルテミスIIは、1972年のアポロ17号以来初めて人類を月へ送る計画の第一歩となるミッションで、4人の宇宙飛行士がオリオン宇宙船に搭乗し、地球を周回した後に月を周回して帰還する予定です。
NASAは今回の進展について、「これは有人飛行に向けた重要な節目であり、宇宙飛行士を安全に月へ送り届けるための準備が着実に進んでいることを示すものです」としています。
参考・出典
- NASA公式ブログ(2025年5月5日)
https://www.nasa.gov/blogs/missions/2025/05/05/nasas-artemis-ii-orion-spacecraft-ready-for-fueling-processing/ - 画像出典:NASA/直接リンクはこちら
翻訳:宙クリップ編集部