富士通と東海国立大学機構、AI技術を駆使した意思決定のための宇宙天気の予測を実現

富士通株式会社(以下、富士通)と国立大学法人東海国立大学機構(以下、東海国立大学機構)は、太陽放射線イベントを対象に、富士通が開発した説明可能なAI技術「Fujitsu Kozuchi XAI」の一つである「Wide Learning(TM)」を用いた発生確率推定と、根拠に基づく過去類似イベント提示を組み合わせた宇宙天気予測技術を開発しました。

本技術は、従来の太陽フレア規模による単純な経験則では推定が困難であった太陽放射線イベントについて、AIにより複雑な因果関係を説明可能な形で抽出するものです。さらに、抽出条件に基づいて類似する過去イベントを提示することで、実生活への具体的影響や対応事例を参照できるようになります。

これにより、将来の太陽放射線イベントに伴うリスクや必要な対策を、科学的根拠に基づいて迅速に判断できる環境の実現を目指します。

目次

背景

太陽表面で発生するフレアやコロナ質量放出(CME)などの太陽活動は、通信障害、電離圏攪乱によるGPS精度低下、送電網の電流増大など、地上インフラに影響を及ぼすことが知られています。

さらに、太陽活動により高エネルギー粒子(太陽放射線)が地球周辺に到来する場合があり、宇宙飛行士や人工衛星に深刻な影響を与える可能性があります。宇宙空間では致死量に達するリスクも指摘されています。

一方で、太陽フレアの規模と放射線量には強い相関がなく、太陽放射線イベントの発生リスクを事前に正確に予測することは困難でした。

図:太陽活動と太陽放射線イベントによる影響

概要

富士通と東海国立大学機構は、太陽放射線イベントの事前予測精度向上と、運用現場での科学的根拠提示を目的として、以下の技術を開発しました。

1.「Wide Learning(TM)」による発生確率推定技術

多様な観測量(太陽磁場、フレア特性など)から特徴量の関係性を学習し、どの要因が発生確率を押し上げたか、特異的な組み合わせ条件は何かを明確に提示します。従来ブラックボックス化していた予測結果に対し、科学的説明を付与します。

2.予測根拠に基づく過去類似イベント提示技術

抽出された条件をもとに、過去の太陽放射線イベントから最も類似する事象を自動選定します。当時の放射線量や具体的影響を参照できるため、単なる確率予測にとどまらず、どの程度の影響が見込まれるかを即座に把握できます。

本技術は、宇宙飛行士の船外活動、月面拠点作業、月・火星輸送機などの有人輸送計画において、放射線リスクを踏まえた最適な運用判断を可能にします。

今後について

本技術は、電力網、衛星通信、GPS誤差増大、航空機の極域飛行など、宇宙天気の影響を受ける社会インフラ全般の保護への活用が期待されています。宇宙天気分野における「Wide Learning(TM)」の有効性を示す基盤技術として、持続可能でレジリエントな社会の実現に貢献していきます。

関連リンク

東海国立大学機構と富士通、包括協定における宇宙天気予測の課題探索や技術開発を加速(2024年3月14日)
富士通と東海国立大学機構、宇宙天気予測技術の月探査適用に向けJAXAと共同研究開始(2025年2月3日)
Wide Learning公式サイト「Hello, Wide Learning!」

本件に関するお問い合わせ

※当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しています。

宙クリップ

このページへの情報のご提供、内容への修正、削除依頼はこちらから

お名前
必須

このページの内容にかかわる権利を所有する方ですか?

メールアドレス
必須
ページURL
修正内容
必須
修正内容にかかわる URLなどがございましたら、お書き添えください。
解除
修正内容に関わる資料などがございましたら、添付してください。
予期しない問題が発生しました。 後でもう一度やり直すか、他の方法で管理者に連絡してください。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次