インターステラテクノロジズの人工衛星事業、複数衛星を用いた高性能アレーアンテナの地上原理実験に成功〜2026年2月、世界最大規模の国際会議ISSCCにて成果を発表

ロケット事業および通信衛星事業を通じて、社会で活用される宇宙インフラの提供を目指すインターステラテクノロジズ株式会社(本社:北海道広尾郡大樹町、代表取締役 CEO:稲川貴大、以下インターステラテクノロジズ)は、国立大学法人東京科学大学 白根研究室、国立大学法人岩手大学 本間・村田研究室、ならびにマイクロウェーブファクトリー株式会社と共同で、複数の人工衛星を用いた高性能アレーアンテナ構成に関する地上原理実験に成功しました。

本成果は、スマートフォンなどの地上端末と衛星が直接通信する「Direct-to-Device(D2D)」を可能にする次世代高速通信衛星の基盤技術となるものであり、その技術的革新性が評価され、2026年2月に米国で開催される半導体分野における世界最大規模の国際会議「IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)」にて発表されます。

インターステラテクノロジズは、超小型人工衛星が互いの位置や姿勢を高精度に制御しながら協調飛行する「フォーメーションフライト(編隊飛行)」技術を活用し、地上端末と直接接続可能な高速・大容量ブロードバンド衛星通信の実現を目指しています。2024年からは、総務省委託研究「電波資源拡大の研究開発(JPJ000254)」の一環として、国内大学と連携し基礎研究を進めています。

フォーメーションフライトでは、1万~10万機規模の超々小型衛星を整列・協調させることで、あたかも一つの巨大な高利得アレーアンテナとして機能させることが可能になります。アレーアンテナとは、多数の小型アンテナ素子を平面上に配置し、受信電波や送信電波を合成することで、高感度かつ高指向性を実現する高性能アンテナです。

一方で、フォーメーションフライトによるアレーアンテナは、アンテナ素子となる各衛星が物理的に分離して存在するため、従来の配線による接続ができず、衛星間を無線で同期・接続する新たな統合技術が必要となります。地上で用いられる分散アンテナシステム(DAS)は主に通信エリアの拡張を目的としており、高利得化を目的とするアレーアンテナとは用途・構造が異なります。

本研究では、この新たな構成方式を従来のDASと区別し、「非結線型フェーズドアレイアンテナ」と定義しています。

今回の地上原理実験では、将来的な1万~10万機規模への拡張を見据え、衛星間の情報伝送方式や動作タイミングの調整手法を総合的に検討しました。あわせて、超々小型衛星への搭載を想定した信号処理用アナログ集積回路およびアンテナを試作し、複数台の模擬衛星を用いたアレーアンテナ構成によって、スマートフォンで使用される電波の送受信に成功しています。

本実験は小規模ながらも、将来的な衛星数の大規模化に対応可能な構成であり、実用性能を備えた非結線型フェーズドアレイアンテナ実現に向けた重要な技術的進展と位置付けられます。今後は、アンテナ性能や信頼性のさらなる向上、ならびにスケールアップに向けた研究開発を進めていく予定です。

複数の衛星を模擬した実験装置では、各衛星中央部にアンテナを、内部に集積回路を搭載しています。実験では枠に固定されていますが、実際の宇宙空間では分離配置され、電磁石などにより位置制御される想定です。

目次

発表学会について

学会名IEEE International Solid-State Circuits Conference(ISSCC)
開催日程2026年2月15日~19日(米国)
講演セッションSession 5 Sub-THz and mm-Wave Phased Arrays and Beamformers
発表タイトルA Formation Flight Phased-Array Transceiver for Spatial Power Combining and Distributing Architectures in Direct-to-Device-Communication Satellite Constellations

著者

K. Yuasa、Y. Takahashi、S. Watanabe、S. Kato、S. Ema、G. Hattori、A. Naka、S. Morioka、T. Inagawa、K. Murata、N. Honma、J. Mayeda、A. Shirane

インターステラテクノロジズ株式会社 会社概要

インターステラテクノロジズは、「社会で使われる宇宙のインフラを提供する」をミッションに、ロケット事業と通信衛星事業の垂直統合ビジネスを展開しています。2013年に北海道大樹町で事業を開始し、観測ロケットMOMOにより国内民間企業単独として初めて宇宙空間への到達を達成しました。現在は、小型人工衛星専用ロケット「ZERO」の開発を進めています。

所在地北海道広尾郡大樹町字芽武149番地7
代表者代表取締役 CEO 稲川 貴大
事業内容ロケットの開発・製造・打上げサービス、人工衛星の開発・製造・運用サービス
URLhttps://www.istellartech.com/
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