株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、理事長:山川 宏、以下JAXA)と、「月域におけるスペースデブリの低減と廃棄管理に関する推奨事項に係る検討」について契約を締結したことを発表しました。

スペースデブリを増加させないための取り組みは、持続可能なシスルナ経済圏を実現するうえで重要なテーマです。現在、国連(COPUOS)やIADC(Inter-Agency Space Debris Coordination Committee)など、さまざまな宇宙関連機関・組織がスペースデブリ低減のためのガイドラインを提案・策定していますが、これらは必ずしも月域での活動を前提とした内容にはなっていません。
今後、月周回軌道や月面での開発・探査活動の活発化が見込まれるなか、将来的にはミッション終了後の宇宙機の廃棄方法やその管理体制の在り方が課題となることが想定されます。
こうした背景を受け、ispaceは、アルテミス合意の枠組みのもと、日本を含む署名国が検討を進めている「月周回及び月面におけるスペースデブリ低減と廃棄管理に関する推奨事項草案」について、民間事業者の立場から実効性を検討する業務をJAXAより受託しました。本草案は、アルテミス合意署名国が遵守することを想定した内容となっています。
本業務においてispaceは、これまでに実施した二度の月ミッションで蓄積した月着陸船(ランダー)および月面探査車(ローバー)の開発・運用経験、さらに現在開発中の月周回機に関する知見を活用します。そのうえで、推奨事項草案を遵守するために求められる要件を整理し、それらが技術面・運用面の双方において実現可能かどうかを分析し、JAXAへ提供する予定です。
株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント
「このたびJAXAより請け負うこととなった検討業務は、シスルナ経済圏の発展を目指す私たちを含め、月面開発に携わるすべての人々にとって重要な課題と言えます。ispaceが培ってきたこれまでのミッション開発の知見から、月域に特化した視点でスペースデブリ低減と廃棄管理推奨事項草案の内容を精査し、持続可能な宇宙利用に貢献していきたいと思います。」
株式会社ispaceについて
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で事業を展開し、約300名のスタッフが在籍しています。
2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースで最終選考に残った5チームのうちの1チーム「HAKUTO」を運営しました。月への高頻度かつ低コストな輸送サービスの実現を目指し、小型ランダー(月着陸船)および月探査用ローバー(月面探査車)を開発しています。
民間企業が月でビジネスを展開するためのゲートウェイとなることを目標に、月市場への参入を支援する月データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。
2022年12月11日には、SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初のミッション1ランダーの打ち上げを完了。続くミッション2も2025年1月15日に打ち上げを完了しました。これらはR&D(研究開発)として位置づけられ、ランダーの設計・技術検証および月面輸送サービス・月面データサービスという事業モデルの検証と強化を目的としています。その結果、月周回までの輸送能力や、ランダーの姿勢制御・誘導制御機能を実証しました。
2027年iには、米国法人が主導するミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げを予定しています。ミッション1・2で得られたデータやノウハウを反映し、より高精度な月面輸送サービスを提供することで、NASAの「アルテミス計画」にも貢献する計画です。
さらに、2028年iiには、経済産業省のSBIR補助金を活用し、日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4の打ち上げを予定しています。
i 2026年1月時点の想定
ii 当該打上げ時期については2026年1月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年1月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。

