ispace、宇宙戦略基金事業「月極域における高精度着陸技術」に採択!2029年に向けたミッション6の開発を正式に始動

株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、宇宙戦略基金事業第二期において「月極域における高精度着陸技術」の実施機関として採択されたことを発表しました。あわせて、本採択を受け、2029年の高精度月面着陸を目指すミッション6の月着陸船(ランダー)開発を正式に開始することを公表しました。

目次

採択概要

※¹ 今後ステージゲート審査等により変動し得る数字であるため、全額を受領することが現時点で確定するものではありません。

本採択により、ispaceは最長5年程度※²、支援上限額最大200億円の支援を受け、「南極近傍への高精度着陸と通信中継衛星を用いた極域でのペイロード活動支援」という課題に向け、ランダーを中心とする技術開発を推進します。

※² 当初補助事業期間は、補助金交付決定日から最初のステージゲート評価が終了する日の属する年度の末日までとなります。

月南極近傍への高精度着陸を目指す背景

月面には大量の水資源が氷として存在するとされ※³、これらは将来的に深宇宙探査や地球帰還を支える宇宙機の推進燃料として活用される可能性があります。特に月南極近傍(高緯度域)の永久影領域は水資源の存在可能性が高いと考えられており、これらの地点への高精度着陸技術の確立は、資源探査およびインフラ構築の観点から極めて重要なテーマです。

※³ 出典:https://science.nasa.gov/moon/moon-water-and-ices/

ispaceはこれまで、経済産業省のSBIR補助金を活用し、2028年打ち上げ予定のミッション4で使用するシリーズ3ランダー(仮称)の開発を進めるとともに、極域での高精度着陸技術の検討も先行して実施してきました。今回の採択を受け、シリーズ3ランダーを発展させた機体を開発し、2029年打ち上げ予定のミッション6を通じて、科学的・経済的価値の高い月南極近傍への安定的な高精度着陸技術の獲得を目指します。

また、月南極近傍という極めて難易度の高い環境での技術実証は、月面のその他多様な地形や地点への高精度着陸にも応用可能です。例えば、中緯度に存在する「縦孔(Lunar Pit)」と呼ばれる地下空洞は、将来的な居住空間や地下資源活用の観点から注目されており、その周辺への高精度着陸は新たな開発の可能性を広げると考えられています。

長期運用と通信インフラの構築

ミッション6では、ランダーの長期運用技術の確立にも取り組みます。ミッション1およびミッション2では、ランダーの活動は太陽光が当たる月の昼(約14日間)に限定されていました。ミッション6では、月面での「越夜」技術の実現に向けた重要なステップとして、南極域の白夜に類似した環境下で、14日以上の長期運用を目指します。

さらに、ミッション6で月周回軌道へ投入予定の通信中継衛星は、ランダーの月面活動終了後も一定期間利用可能となる計画です。これにより、極域のみならず月の裏側を含む将来の月面探査や有人活動への活用が見込まれます。複数衛星によるコンステレーション構築やデータ中継サービスの提供も視野に入れ、ispaceは月面活動を支える通信インフラ基盤の整備を目指します。

株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田武史のコメント

「このたび、宇宙戦略基金事業第二期における“月極域における高精度着陸技術”をテーマとした課題について、実施機関として採択いただきましたことを、大変光栄に思います。また、本採択を受け、2029年のミッション6打ち上げに向けた開発着手を発表できましたことに、感謝申し上げます。ispaceのビジョンは、地球と月がひとつのシステムとなり、宇宙インフラを軸とした経済が地球で住む人々の生活を支え、持続性ある世界を実現することです。月での水資源探査はその実現に向けた出発点です。日本の宇宙開発における本事業の重要性に身が引き締まる思いがすると同時に、ispaceの技術力を結集して困難な技術課題に果敢に挑み、確かな成果をもってお応えできるよう、開発に邁進してまいります。」

株式会社ispaceについて

「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組む宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、約300名のスタッフが在籍しています。

2010年設立。Google Lunar XPRIZEレースで最終選考に残った5チームのうちの1チーム「HAKUTO」を運営しました。月への高頻度かつ低コストな輸送サービスの実現を目指し、小型ランダー(月着陸船)および月探査用ローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目標に、月市場参入を支援する月データビジネスコンセプトも展開しています。

2022年12月11日にはSpaceXのFalcon 9を使用し、初のミッション1ランダーを打ち上げ。続くミッション2も2025年1月15日に打ち上げを完了しました。これらはR&D(研究開発)として位置づけられ、ランダー設計・技術検証および月面輸送・データサービス事業モデルの検証を目的としています。その成果として、月周回までの輸送能力やランダーの姿勢制御・誘導制御機能を実証しました。

2027年iには、米国法人主導のミッション3(正式名称:Team Draper Commercial Mission 1)の打ち上げを予定。さらに2028年iiには、経済産業省SBIR補助金を活用し、日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション4の打ち上げを予定しています。

i 2026年1月時点の想定

ii 当該打上げ時期については2026年1月時点の予定であり、今後変更する可能性があります。なお、当社が補助対象事業として採択されたSBIR(Small Business Innovation Research)制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」の事業実施期間が原則として2027年度とされており、SBIR制度に基づく補助金の対象となるミッション4は、当初2027年中の打上げとして経済産業省及びSBIR事務局と合意しておりましたが、2026年1月時点では当社内の開発計画上、2028年内の打上げとなることを見込んでおります。本変更については今後、関係省庁及びSBIR事務局と調整中の段階であり、最終的には経済産業省により正式に計画変更が認可されることとなります。

宙クリップ

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