ロケット由来の水素を地域資源へ ロボデックス、JAXA・秋田県能代市と共同研究を開始

株式会社ロボデックスは、JAXAおよび秋田県能代市と連携し、ロケット開発時に発生する水素の回収・利活用に向けた共同研究を開始しました。宇宙開発の現場で生じる未利用エネルギーを地域社会へ還元する、新たな水素活用モデルの構築を目指します。

本取り組みでは、液体水素の気化によって発生するBOG(ボイルオフガス)を回収し、水素ドローンやモビリティなどへ活用することで、宇宙と地域をつなぐ循環型エネルギーの実現に挑みます。

目次

ロケット開発で生じる「未活用水素」に着目

ロケットの打ち上げや試験では、推進剤として大量の液体水素が使用されますが、安全対策や運用上の理由から、その一部は大気中へ放出されているのが現状です。

また、液体水素は貯蔵時に自然に気化し、BOG(ボイルオフガス)と呼ばれる水素ガスが発生します。このBOGは従来、十分に活用されていませんでした。

今回の共同研究では、この未利用水素を回収し、地域で活用する技術的・運用的な可能性を三者で検証していきます。

能代市の「水素ラボ構想」と連携

秋田県能代市では、水素エネルギーの活用拠点を形成する「水素ラボ構想」を推進しています。この構想では、液化水素タンクから発生するBOGを回収し、企業や研究機関へ供給する仕組みの構築を目指しています。

あわせて、水素関連の研究開発や実証実験の場を整備し、ベンチャー企業の参入促進や人材育成を進めることで、脱炭素社会の実現と地域経済の活性化を図っています。

本共同研究は、こうした地域の取り組みと宇宙開発の技術を結びつけるプロジェクトとして位置付けられています。

水素ドローンなどへの活用を検証

研究では、回収した水素を用いた具体的な活用方法の検討も進められます。初期段階では、研究施設間を飛行する水素ドローンのデモ飛行を実施し、巡視や監視用途での実用性を確認する予定です。

ロボデックスはすでに、水素ドローン「Aigis One」や小型水素モビリティ、水素燃料電池発電機の開発を進めており、水素タンクの規格統一によるマルチユース基盤の整備を進めています。

これにより、回収した水素をさまざまな用途に柔軟に供給できる仕組みの構築が期待されています。

地域社会への応用と期待される効果

本プロジェクトにより、宇宙開発の副産物である水素を地域のエネルギー資源として循環させるモデルの実現が期待されています。具体的には、以下のような活用が想定されています。

分野活用例
防災水素ドローンによる物資輸送、水素発電機による非常用電源の確保
物流山間部や過疎地域への配送支援
移動支援高齢者や免許返納者向けの移動手段の提供
地域経済水素関連産業による雇用創出と産業振興

宇宙開発の現場で生まれたエネルギーを地域に還元することで、持続可能な社会の実現と新たな産業創出の両立を目指します。

関連組織概要

機関名国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
所在地東京都調布市深大寺東町7-44-1
概要宇宙輸送・有人宇宙活動・衛星利用などを担う日本の宇宙開発機関
自治体名秋田県能代市
概要JAXA能代ロケット実験場を有する「宇宙のまち」。再生可能エネルギーにも積極的
会社名株式会社ロボデックス
代表者貝應 大介
設立2019年6月20日
事業内容水素ドローン、水素供給、小型水素モビリティの開発
URLhttps://robodex.net/
宙クリップ

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