Green Carbon、JAXA宇宙戦略基金に採択 ベトナムで農業排出を可視化する国家規模システム構築へ

Green Carbon株式会社は、JAXAの宇宙戦略基金事業(第二期)に採択されたと発表しました。ベトナムで進めてきたカーボンクレジット開発と衛星データ研究を組み合わせ、農業由来の排出量を国家規模で算定・管理する仕組みの構築を目指します。衛星データを活用した脱炭素インフラの整備により、ベトナム国内の排出管理高度化と脱炭素化の加速が期待されます。

Green Carbonは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)公募の宇宙戦略基金事業(第二期)(以下、本実証事業)に採択されたことをお知らせします。

本事業の技術開発テーマ「衛星データ利用システム実装加速化事業(A)衛星データ利用システムの開発・実証」に応募し、Green Carbonは「ベトナムにおけるカーボンクレジット開発における排出量管理ツールと、衛星研究との結合による国家排出管理システムの構築」を提案しました。本提案の採択により、ベトナムにて、農業由来の排出量を国家規模で算定・管理するシステムを構築し、ベトナム国内の脱炭素化を加速させます。

目次

本実証事業の概要

近年、衛星データ利用システムは、農林業、水産業、防災・減災、土木、建設、金融・保険、環境など、さまざまな領域で技術開発が進んでいます。日本でも、政府や自治体の業務効率化・高度化に向けて衛星の適切な活用を民間へ促す動きが進み、「衛星リモートセンシングデータ利用タスクフォース」も設立されています。

今回Green Carbonが採択されたテーマでは、社会実装を目的とした衛星データ利用システムの開発・実証を重点的に支援するとともに、衛星データ利用の環境整備や、グローバル展開を志向したシステム開発・実証も対象としています。あわせて、関係省庁による政府調達や民間投資などを積極的に促進し、宇宙ソリューション市場の拡大を目指します。

補助対象総額

1件あたりの補助対象総額(実施者負担を含む)0.3億~30億円程度
1件あたりの支援額0.2億円~20億円程度

※実施者が中小企業・SUの場合

採択の背景

Green Carbonは、自然由来のカーボンクレジットプロジェクトを手がけるリーディングカンパニーとして、東南アジア地域での事業展開を進めています。森林保全、マングローブ再生、バイオ炭活用、農業システムにおけるメタン排出削減など、多様なプロジェクトを展開し、それぞれの地域の生態条件に合わせた設計を行っています。また、衛星を活用した高度なモニタリング技術によって、プロジェクトの透明性と信頼性を高めています。

ベトナムでは、AWD(間断灌漑)技術を活用した稲作由来メタン排出削減に注力しています。現地の大学や研究機関と連携し、メコンデルタを含む全国で合計15のAWDプロジェクトを推進しています。これらのモニタリングデータをプロジェクト単位で効率的に収集・管理するシステム「Agreen」の開発・導入も進めています。

さらに、AWDプロジェクトにおけるMRVの効率化や、カーボンクレジットの信頼性・品質向上を目的として、JAXA衛星データ(だいち2号)を活用した事業化実証にも2023年から取り組んできました。

こうした実績を踏まえ、「ベトナムにおけるカーボンクレジット開発における排出量管理ツールと衛星研究との結合による国家排出管理システムの構築」を目指すプロジェクトが採択されることとなりました。本実証事業では、Agreenによって蓄積される農業データ基盤と衛星データ研究を統合し、より広域なデータ基盤へ発展させ、最終的には国家レベルの排出量管理システムへとつなげていきます。

なお、総額15億円規模とされる本提案の支援額は、ステージゲート審査等によって変動する可能性があります。

JAXA 宇宙基金サイトより抜粋

※1:AWD(間断灌漑)
水田の水位を目安に、数日おきに入水と自然乾燥を繰り返すという手法。間断灌漑(AWD)の場合、連続的な入水に比べ、水使用量を削減することができ、水資源の保全にも寄与。

※2:Agreen
カーボンクレジット創出に向けたワンプラットフォームサービスで、創出するカーボンクレジットの創出量・収益のシミュレーションから、プロジェクト登録・申請・販売までを一気通貫して支援します。

関連リリース

JAXA衛星データ(だいち2号)を活用した事業化実証
https://green-carbon.co.jp/jaxa2/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000117956.html

RegrowのDNDCモデルとの連携
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000177.000117956.html

Green Carbon 株式会社

代表者代表取締役 大北 潤
所在地東京都千代田区麹町2-3-2 半蔵門PREX North 9F
設立2019年12月12日
事業内容カーボンクレジット創出販売事業、農業関連事業、環境関連事業、その他、関連する事業及びESGコンサルティング事業
URLhttps://green-carbon.co.jp/

Green Carbon事業紹介

Green Carbonは、「生命の力で、地球を救う」をビジョンに掲げ、国内外において自然由来のカーボンクレジットの創出・登録・販売までを一気通貫で支援するクライメートテック企業です。加えて、植物・微生物の研究開発事業、ESG/排出枠コンサルティング事業、各種環境関連事業も展開しています。

事業は日本および東南アジアを中心に10カ国以上で展開しており、水田(中干し・AWD)、バイオ炭、森林保全、カーボンファーミング、マングローブ植林、家畜排せつ物処理、畜産由来メタン削減など、多様な自然由来プロジェクトを推進しています。国内の水田(中干し)においては、2023年度に日本初・最大規模となる約6,220tのクレジットを創出。2024年度は約40,000ha(約65,000t)、2025年度は約65,000ha(約65,000t)、2026年度には約90,000ha(約95,000t)まで拡大を予定しています。また、酪農分野では日本初となるJ-クレジットのプログラム型登録を実施し、2026年度に約7,000t、将来的には約15,000t規模の創出を見込んでいます。

海外においては、東南アジアを中心に大規模なプロジェクト組成とクレジット創出を推進しており、フィリピンではJCM(二国間クレジット制度)を活用した投資プロジェクトが完売。さらに、ベトナムやカンボジアにおいても、JCM方法論の承認に向けて州・自治体・政府と連携を進めています。また、クレジットの申請・登録・販売までをワンストップで完結するプラットフォーム「Agreen(アグリーン)」を提供し、煩雑な手続きや書類作成を効率化。創出者の負担軽減とスケーラブルな事業推進を実現しています。加えて、環境価値付き農産物(環境配慮米)の流通、研究開発、ESG・排出枠コンサルティングも手がけ、自然資本を軸とした脱炭素の実現に貢献しています。

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