静岡発「ふたつぼしプロジェクト」始動 2030年の衛星打ち上げへ、2027年1月に浜松でキックオフ

物語とアートを起点に、文化の創造から宇宙ビジネスの共創まで一貫して推進する株式会社ALTILAN(本社:静岡県浜松市、代表取締役CEO:永利 光、以下「ALTILAN」)と、プラスチックリサイクル事業を基盤に、超小型衛星の開発・運用および宇宙リサイクル技術の研究開発にも取り組む株式会社中部日本プラスチック(本社:静岡県浜松市、代表取締役:雪下 真希子、以下「中部日本プラスチック」)は、静岡発の宇宙ビジネス創出を目指し、「ふたつぼしプロジェクト」を立ち上げます。

静岡発の宇宙プロジェクト ふたつぼし

衛星の開発・打ち上げを軸に、地域企業の宇宙領域参入や技術実証を推進します。あわせて、プロジェクトのキックオフとなるイベント「浜松から宇宙へ #4」を、2027年1月に浜松市内で開催します。

目次

背景:宇宙関連の事業を静岡から創出するために

ALTILANと中部日本プラスチックが拠点を置く浜松地域をはじめ、静岡県には、輸送用機器・楽器・光技術などのメーカーとその協力会社が集まっています。ロケットや衛星の部品を手がける会社も出てきています。

一方、宇宙を事業領域として捉えている企業はまだ多くなく、大きく二つのハードルがあります。

一つは、最初の実績をどのように積むかという課題です。宇宙で動作した実績である「フライトヘリテージ」が、参入の大きなハードルになっています。実績ができれば需要を獲得しやすくなり、それによって次の実績が積み上がります。この循環を生み出すには、最初の一歩を踏み出せる機会が必要です。

もう一つは、宇宙機器を開発・製造した後の出口となる、ビジネスとしての需要をどのように生み出すかという課題です。開発・製造した宇宙機器によって生まれる価値や意義が理解されて初めて、企業は投資へ踏み出せるようになります。宇宙機器領域への参入は、扱う素材の変更や設備の入れ替えを伴う投資でもあります。

ふたつぼしプロジェクトでは、地域企業が宇宙で実績を獲得できる機会を提供します。さらに、打ち上げと技術実証の先にある、次の需要をどう獲得するかまでを一緒に描いていきます。

取り組みの三つの柱

1.STARSシリーズの知見を引き継ぎ、次の一機をつくる

静岡大学工学部の能見公博教授の研究室は、複数の衛星をテザー(ひも)でつなぎ制御する「STARS」シリーズを開発してきました。これまでに8機が打ち上げられています。最新の一機は、2026年6月12日にH3ロケット6号機で打ち上げられたSTARS-X(愛称・しらいと)で、現在も運用されています。

中部日本プラスチックは2019年から、この衛星シリーズの支援・共同開発を通じて、衛星開発と運用の知見を培ってきました。

ふたつぼしプロジェクトで開発するのは、このシリーズの次にあたる一機です。2027年に本格着手し、2030年の打ち上げを目指します。

部品と素材の実証には、地域の企業・団体・研究機関に参画を呼びかけます。このプロジェクトを起点として、「宇宙で動いた」という実績を生み出します。

2.用途から逆算して、衛星を設計する

衛星を打ち上げること自体をゴールとせず、その衛星で何ができるのか、どのような価値を生み、次にどうつなげるのかを、参画者とともに策定します。

事業化に向けた検討や、需要獲得に向けた活動計画の策定・推進はALTILANが担当します。参画者と地域に提供できる価値を中長期的な視点で設計し、実行へ移します。

3.小説やアート作品を入口に、宇宙に関わる人を増やす

宇宙への入口は、技術開発だけではありません。小説やアート作品に触れて宇宙に関心を持ち、関わり始める人もいます。ふたつぼしプロジェクトでも技術とは別の入口を用意し、宇宙に関わりたい人や、ともに歩む人を迎えます。

ALTILAN代表の永利光は、SF小説『POINT NEMO』を執筆しています。第一巻は2026年11月に電子書籍として発売予定です。2025年11月には、この小説と連動した作品「未知の無知 − タイタン Unknown Ignorance − TITAN」を美術作家の山上渡氏との共同名義で制作し、種子島宇宙芸術祭に出展しました。2026年も同芸術祭への出展が決まっています。2027年1月のキックオフイベント「浜松から宇宙へ #4」でも、宇宙を題材にした小説やアート作品を取り上げるパートを設ける予定です。

プロジェクトの体制

中部日本プラスチックが衛星の開発と実証を担い、ALTILANが事業開発を担当します。両社は2026年3月1日付で、宇宙事業での協業に関する基本合意書(MOU)を締結しました。ふたつぼしプロジェクトは、その第一弾となる共同の取り組みです。

MOU締結のプレスリリース2026年3月4日
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000163464.html

「ふたつぼし」という名前について

「ふたつぼし」は、寄り添って見える二つの星を指す古い和名です。静岡の人々は、この名で夜空を見上げてきました。

冬の空では、旧正月のころに現れるふたご座の二つの星がそう呼ばれました。同じ星を、その時期に立てる門松の杭や柱に見立てて呼ぶ言い方もあります。星の和名を集めた野尻抱影は、『日本星名辞典』で、この門松に見立てた呼び名を「専ら静岡地方でいわれる名」と記しています。

夏の空では、さそり座の尾で寄り添う二つの星を「五ろう十ろう」と呼びました。1193年に富士の裾野で父の仇を討った曽我兄弟、五郎と十郎の名です。ギリシャ神話でふたご座が双子の兄弟にちなむように、静岡でも、この二つの星に兄弟の名がつけられました。

これらの背景を踏まえ、本プロジェクトにも「ふたつぼし」という名前を付けました。一機の衛星が軌道上で二つに分かれ、テザーでつながったまま飛ぶこと。中部日本プラスチックとALTILANという二つの会社。静岡と宇宙。二つのものが一つにつながること。このプロジェクトが目指すのも、つながりを生み出すことです。

次は、静岡と宇宙に、二つの星「ふたつぼし」を。

イベント「浜松から宇宙へ #4」

2024年から開催してきたイベント「浜松から宇宙へ」には、これまで3回で延べ約200名が参加しました。第4回は、中部日本プラスチック、ALTILAN、Co-startup Space & Community FUSE(運営元:浜松いわた信用金庫)が開催します。

過去3回は、宇宙ビジネスの認知を広げ、関心を高めることを目的としてきました。第4回では、そこから一歩踏み込みます。理解と関心にとどまらず、実行可能な取り組みを示すことで、ともに取り組む人を募ります。地域企業に加え、それを支える金融機関・経済団体・大学と、それぞれの立場から現状と課題、期待を掘り下げます。

参加者に「宇宙ビジネスはこの地域でも生み出せるし、大きな意義と可能性がある。自分もその一員になれる」という確かな手応えを提供することを目指します。

イベントを開催する1月は、「ふたつぼし」という冬の呼び名のもとになった、ふたご座の二つの星が夜空で見頃を迎える季節です。

日程2027年1月22日(金)17:00〜20:00
会場Co-startup Space & Community FUSE
静岡県浜松市中央区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F
形式現地開催とオンライン配信
主催株式会社中部日本プラスチック、株式会社ALTILAN、Co-startup Space & Community FUSE(運営元:浜松いわた信用金庫)
登壇者(予定)岩本 裕之 様|宇宙航空研究開発機構(JAXA)新事業促進部長
石下 佳奈子様|株式会社博報堂 クリエイティブディレクター/「博報堂ひらけ宇宙プロジェクト」リーダー
松広 航 様|株式会社amulapo 取締役COO
※登壇者は今後も順次発表予定
参加費無料
申込Peatix
https://univers202701.peatix.com/

代表コメント

株式会社中部日本プラスチック 代表取締役 雪下 真希子

当社では、50年以上プラスチックリサイクル事業で培ってきた循環資源に関する知見と、超小型衛星開発・運用に関する経験を組み合わせ、地上のリサイクルにとどまらない「宇宙リサイクル」領域の研究開発・事業化に取り組んでまいりました。この経験を地域の皆様と共有し、一緒に浜松発・静岡発の宇宙事業を創出していくことを楽しみにしております。

株式会社ALTILAN 代表取締役CEO 永利 光

衛星の開発と運用で実績を積み上げてこられた中部日本プラスチック社との協業を通じて、当社が創業以来掲げてきた地域発の宇宙産業の創出に向けて、必要な取組みの輪郭がはっきりしてきたと感じています。ふたつぼしプロジェクトでは、技術開発や実証はもちろん、静岡・浜松ならではの形で、さまざまな業界の方々と連携していきたいと考えています。静岡・浜松と宇宙を結び、地域の象徴として育てていくべく、皆さまとともに一つずつ形にしていきます。「ふたつぼし」という名前を覚えていただけると嬉しいです。

応援コメント

浜松いわた信用金庫 FUSE 渡邉 迅人 様

株式会社ALTILANの永利様、株式会社中部日本プラスチック様、「ふたつぼしプロジェクト」のローンチ、心よりお祝い申し上げます。これまで3回にわたり「浜松から宇宙へ」のイベントをご一緒してまいりましたが、ついに具体的な衛星開発の段階へと歩みを進められること、宇宙イベント企画担当として共に歩ませていただいた私自身も大変感慨深く存じます。 地域に宇宙産業という新たな風を起こすこの画期的な挑戦に、浜松いわた信用金庫FUSEとしても引き続き支援させていただきます。

静岡新聞社 地域ビジネス推進局 SHIZUCONE編集室

「ふたつぼしプロジェクト」の始動、誠におめでとうございます。
浜松をはじめとする静岡の地は、時代とともに多様な産業を生み出し、挑戦を重ねてきた歴史を持っています。この地に新しく「宇宙」というテーマが加わり、未知なる領域への探求が始まることに、胸が高鳴ります。
本プロジェクトが単なる技術実証にとどまらず、物語やアートといった視点を通じて製造業と非製造業の垣根を越え、双方をつなぐ大きな一歩となる点に感銘を受けています。この取組みを通じ「たくさんの問い」や新たなアイデアが芽生えることでしょう。
その「問い」こそが、次の挑戦者を育て、静岡の産業全体を一層活気づける原動力になると期待しています。SHIZUCONE編集室もこの広がりゆく挑戦の物語を応援してまいります。

プロジェクト概要

名称ふたつぼしプロジェクト(通称:ふたつぼし/英字:FUTATSUBOSHI PROJECT)
主体株式会社中部日本プラスチック、株式会社ALTILAN
内容テザー型衛星の開発、地域企業との実証、事業開発、イベントの開催
開発2027年 本格着手/2030年 打上げ目標

会社概要

株式会社中部日本プラスチック

商号株式会社中部日本プラスチック
企業URLhttps://www.cnp.co.jp/
設立1975年
代表者代表取締役 雪下 真希子
所在地〒435-0001 静岡県浜松市中央区上石田町100
事業内容再生プラスチック原料の製造
プラスチック原料の輸出入・販売
宇宙リサイクル技術の研究開発

株式会社ALTILAN

商号株式会社ALTILAN
企業URLhttps://altilan.co.jp/
設立2024年5月1日
代表者代表取締役CEO 永利 光
所在地〒430-0933 静岡県浜松市中央区鍛冶町100-1 ザザシティ浜松中央館 B1F
事業内容宇宙ビジネスの共創/実装/伴走支援
宇宙領域への挑戦のストーリー構築
宇宙ビジネスのインプットおよびイベント企画
月および火星以遠を目指す宇宙機器の開発
上記に伴う宇宙機器および要素技術の開発・検証 など
宙クリップ

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