2021年6月の天体情報

東の空に夏の星座が姿を見せるようになってきました。
暗くなって間もない空を見上げてみると、春の星座が西に少し傾き、夏の星座が東の空に姿を覗かせています。
今月は月の動きに注目してみてください。5月31日から6月2日にかけて、月は明け方の空で土星と木星に接近します。12日頃には、夕方の空で、月が今度は金星に接近します。月末になると、月は星空を一巡りし、再び土星と木星に接近します。
月と惑星を一緒に観察できるチャンスです。晴れることを祈りながら初夏の空を見上げてみてください。

2021年6月の天体情報
2日下弦
5日芒種(太陽黄経75度)
10日新月/金環日食(日本では見られない)
11日入梅(太陽黄経80度)/水星が内合
18日上弦
21日夏至(太陽黄経90度)/木星が留
23日水星が留
25日満月
26日海王星が留

惑星の見どころ

水星

水星

上旬は日の入り直後の北西の低空に位置しています。11日に内合となり、以後は日の出直前の東の低空に位置するようになります。見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。

金星

金星

日の入り後の西の低空に位置しています。徐々に高度が上がり、西の低空で目に付くようになってきます。明るさはマイナス3.9等。

火星

火星

ふたご座を東に移動し、上旬のうちにかに座に入ります(順行)。宵の西の低空に見え、明るさは1.7等から1.8等。

木星

木星

みずがめ座を東に移動していますが(順行)、21日に留となり、以後は西向きの移動(逆行)に転じます。留のころには、星空の中での木星の動きが止まったように見えます。上旬は真夜中に東の空から昇り、下旬になると真夜中の南東の空に見え、明るさはマイナス2.4等からマイナス2.6等。

土星

土星

やぎ座を西に移動しています(逆行)。真夜中の南東の空に見え、明るさは0.6等から0.4等。

国立天文台Webサイトより引用

6月12日、月が金星に接近!

月が金星に接近(2021年6月)

6月になって、夕方の西の空に金星が姿を現すようになりました。ただ、金星の高度はまだたいへん低く、日の入りから1時間半もすると太陽を追って沈んでしまいます。見られる時間がとても短いので、空がまだ明るいうちに観察してみてください。

6月12日、その金星に月が接近します。最も近づくときには、月と金星の見かけの距離(角距離)はわずか1.5度以下となります。1.5度というのは、月の見かけの直径のわずか3倍。まだ少し明るい空を背景に、月と金星がすぐ近くに寄り添っている姿はとても興味深い眺めとなります。

月も金星も高度が低く、その上、月がたいへん細いため、西の空が地平線近くまで見通せる場所を探して、太陽が沈んだらなるべく早く観察を始めましょう。暗くなるにつれて金星と月が見え始めます。金星のほうが先に見つかるかもしれません。そのすぐ上に細い月があります。時間が経つにつれ空はさらに暗くなり金星も月も見つけやすくなる一方、高度が下がりますので、低空の雲などに遮られやすくなります。できれば、あまり高度が低くならないうちに見つけたいものです。
双眼鏡を使うと、肉眼で探すよりもずっと見つけやすくなります。
6月は梅雨で星を観察するには天候次第の季節ですが、幻想的な空模様の日も多いので、夕暮れどきになったらふと空を見上げて星を探してみてくださいね。

宙クリップ

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