2022年4月の天体情報

あたたかな日も多くなり、桜も見頃になってきた今日このごろ。
空でも春の星々が華やかに輝きはじめます。
空が暗くなった宵の時間帯、月初めは、まだ冬の明るい星々が南から西の空で目立ちますが、下旬になると春の星々が南から東の空を飾るようになります。
明け方の東の空では、金星、火星、土星の3惑星が並び、5日には火星と土星が接近し、下旬になるとさらに木星が加わります。月が、土星、火星、金星、木星と次々に接近し、にぎやかな明け方の空となりそうです。
29日には観察の難しい水星が、今年一番の観察チャンスを迎えます。
あたたかくなり始めた屋外で、華やかな宇宙のお星見はいかがでしょうか。

2022年4月の星空
1日新月
3日水星が外合
5日清明(太陽黄経15度)
9日上弦
17日土用の入り(太陽黄経27度)/満月
20日穀雨(太陽黄経30度)
23日下弦/4時頃、4月こと座流星群が極大(見頃は22日深夜~23日未明。1時間に5個程度。月の条件はやや悪い)
29日昭和の日/水星が東方最大離角

惑星の見どころ

水星

水星

月初は日の出前の東の低空に位置しています。3日に外合となり、以後は日の入り後の西の低空に位置するようになります。下旬に向けて徐々に高度が上がり、29日に東方最大離角となります。東京では4月20日から5月7日まで日の入り30分後の高度が10度を超え、観察しやすくなります(他の地域でも大きな違いはありません)。20日から30日までの明るさはマイナス0.8等から0.3等。

金星

金星

日の出前の東から南東の低空に見えています。明るさはマイナス4.4等からマイナス4.1等。

火星

火星

やぎ座を東に移動し、中旬にはみずがめ座に移ります(順行)。日の出前の南東の低空に見え、明るさは1.1等から0.9等。

木星

木星

みずがめ座を東に移動し、中旬にはうお座に移ります(順行)。日の出前の東の低空に位置していますが、中旬までは見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。

土星

土星

やぎ座を東に移動しています(順行)。日の出前の南東の低空に見え、明るさは0.8等。

国立天文台Webサイトより引用

火星と土星が接近!

【火星と土星の接近】2022年4月1日〜10日4:15東京の星空

4月5日の明け方に火星と土星が近づいて見えます。
3月中旬、明け方の南東の低空で金星と火星が比較的近づいて見えていたところ、3月下旬にこれに土星が加わり、4月上旬には、火星と土星が接近して見られるようになります。

最も近づいて見えるのは4月5日の明け方で、満月の中に2つの惑星がすっぽりと入る程の距離です。惑星同士の接近では、明るさに差がかなりある場合が多いのですが、このときの火星の明るさは1.0等、土星の明るさは0.8等と、その差は0.2等とわずか。今回はほとんど同じ明るさの惑星同士が並んで見えることになります。また白っぽく見える土星に対して、火星は赤みを帯びた色に見えますので、色の対比にも注目して観察してみましょう。

観察には東から南東にかけてよく見渡せる場所にしましょう。各惑星が徐々に昇り、かつ東の空が明るくなる前の日の出1時間前の頃が見やすいと思われます。探しているうちにどんどん空が明るくなり、どちらの惑星も見えにくくなってしまうため、少し前から観察するようにしましょう。近くで金星が明るく輝いていますので、目印にして探してみてください。

【地球、火星、土星の位置関係】2022年4月5日

空では近づいて見える火星と土星ですが、地球から見た場合にたまたま同じ方向に見えているだけで、実際の惑星までの距離には相当大きな差があります。4月5日の地球からの距離は、火星までが約2億7千万キロメートル(約1.8天文単位(注))なのに対して、土星までは約15億7千万キロメートル(約10天文単位)で、土星の方がおよそ6倍も遠くにあります。そのような太陽系空間の奥行きも感じながら、観察してみてはいかがでしょうか。

月と4惑星(土星、火星、金星、木星)が接近!

【月が土星、火星、金星、木星に接近】2022年4月25日〜28日4時頃・東京の星空

4月上旬から明け方の空に土星、火星、金星が見えていましたが、下旬になるとこれに木星が加わり、いっそうにぎやかな空になります。南東から東にかけて、空の高い方から土星(約1等)、火星(約1等)、金星(約マイナス4等)、そして木星(約マイナス2等)が順に並ぶ光景は、とても見応えのあるものとなるでしょう。

これらの惑星たちにさらに月が次々と接近していく様子を観察できます。
月は、25日に土星、26日に火星、27日に金星と接近していき、特に27日の月は、金星のそばに輝く木星にも近く、また木星とほぼ同じ高さに見られます。明るい3天体が目を引くことでしょう。
月と木星とは28日の方が近づいて見えますが、月が木星よりもさらに低い位置になるため見づらくなります。ただ、木星や、そのそばに見える金星はとても明るいですので、空が多少白んできてからでも見られます。月が昇ってきて見やすくなるまで少しの時間を待つことで、28日も月と金星、木星の共演が楽しめそうです。
4日間にわたってとてもにぎやかになる明け方の空。早起きして、あたたかくなってきた屋外でぜひとも観察してみてくださいね!

今年で一番見やすい水星

【水星が東方最大離角】2022年4月20日〜5月7日 日の入り30分後 東京の星空

水星は、言わずとしれた太陽に最も近い惑星です。そのため、水星より外側をまわる地球からは、いつ見ても水星は太陽からあまり離れず、とても見づらい天体の一つです。
ところが、4月29日には東方最大離角となり、この日前後に日の入り直後の西の低空で見つけやすくなります。
水星を観察できる、今年いちばんのチャンスです!

今年いちばんのチャンスと言っても、水星は低い空に見えますので、西北西が開けた場所で観察する必要があります。低空に雲のない、良く晴れた日が観察には最適です。しかし、夕焼けが残るほのかに明るい空で水星を探すのは少し難しいかもしれません。そのような時は、双眼鏡を使うと探しやすくなります。双眼鏡を使う際は太陽を見ないよう、太陽が沈んでから観察を始めるようにしてください。また、5月2日と3日は、新月直後の細い月が水星のそばに見えますので、目印になるでしょう。
なかなか観察するのが難しい水星を観られる数少ないチャンスです。サンセットを楽しんだ後に、双眼鏡を片手に夕暮れの水星を堪能してみましょう。

宙クリップ

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2022年4月の星空

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