2022年8月の天体情報

夏真っ盛りの8月。
夏の夜空といえば「夏の大三角」ですね。
8月の宵のころ、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブが描く夏の大三角が空高く輝いています。
3つの星はとても明るく、線をつなぐととても大きな三角形になる、夏を代表する星々です。
十分に暗い空ならば、夏の大三角を通り南の低い空へと続く天の川の淡い光も見えることでしょう。
ペルセウス座流星群は、13日未明に見ごろを迎えますが、満月近くの明るい月明かりに邪魔され、見える流星は例年より少なくなりそうです。土星は、15日に衝となり、観察しやすい時期を迎えます。

2022年8月の星空
4日伝統的七夕
5日上弦
7日立秋(太陽黄経135度)
12日満月
13日10時頃、ペルセウス座流星群が極大(見頃は13日未明。1時間に30個程度。満月近くの強い月明かりにより悪条件)
15日土星が衝
19日下弦
23日水星が西方最大離角
25日天王星が留
27日新月
28日水星が東方最大離角

惑星の見どころ

水星

水星

日の入り後の西の低空に位置しています。28日に東方最大離角となりますが、日の入り30分後の高度は10度もなく観察は難しいでしょう。

金星

金星

日の出直前の東の低空に見えています。明るさはマイナス3.9等。

火星

火星

おひつじ座を東に移動し、中旬にはおうし座に移ります(順行)。真夜中に東の低空に見え、明るさは0.2等からマイナス0.1等。

木星

木星

うお座とくじら座の境界付近を西に移動しています(逆行)。真夜中の南東の空に見え、明るさはマイナス2.7等からマイナス2.9等。

土星

土星

やぎ座を西に移動し(逆行)、15日に衝となります。真夜中の南の空に見え、明るさは0.4等。

国立天文台Webサイトより引用

8月4日は伝統的七夕の日。伝統的七夕って?

伝統的七夕とは、太陰太陽暦にもとづく七夕を「伝統的七夕」と呼んでいます。
もともと七夕の行事は、7月7日といっても現在使われている暦ではなく、旧暦など太陰太陽暦の7月7日に行われていました。これは、月齢およそ6の月が南西の空に輝く夏の夜になります。現在の暦での7月7日は、たいてい梅雨のさなかで、なかなか星も見られません。そこで国立天文台が2001年から「伝統的七夕」の日を広く報じています。

さらに、毎年8月1日から7日は「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」です。
スター・ウィークとは、多くの人に星空に親しんでもらおうと呼びかけるキャンペーン。
8月上旬は全国的に梅雨が明けて天候も安定する頃で、星空を気軽に眺めることに適した時期です。このため、毎年スター・ウィークの期間を中心に、全国各地で天体観望会などの関連イベントが開催されます。
月の満ち欠け(朔望)を基準としていた太陰太陽暦に基づく伝統的七夕の日付は、現在使われている暦では毎年変わります。2022年はスター・ウィーク期間中の8月4日にあたります。ちなみに、スター・ウィーク期間に伝統的七夕の日を迎えるのは2019年(8月7日)以来で、次は2030年(8月5日)です。

伝統的七夕の日には、日が暮れる前から上弦前の月が南西の空に見えています。そして日が暮れて夜空が十分に暗くなり、星々が輝き出すと、頭の真上近くに七夕にちなんだ織姫星(おりひめぼし、こと座の1等星ベガ)と彦星(ひこぼし、わし座の1等星アルタイル)を見つけることができます。さらに夜が更けて月が沈む頃、夜空の暗い場所では織姫星と彦星の間に横たわる天の川の姿も見ることができるでしょう。

ペルセウス座流星群が極大!

ペルセウス座流星群と放射点 2022年8月13日 午前3時頃 東京の星空

今年のペルセウス座流星群の活動は8月13日10時頃に極大を迎えると予想されています。
ただ、今年は8月12日が満月のため、ほぼ一晩中明るい月明かりがあり、観測条件が良くないので。見える流星の数は、例年よりもだいぶ少なくなりそうです。

普段より目立って多くの流星を見ることができるのは、11日の夜から13日の夜までの3夜。
このうち12日の夜に最も多くの流星が出現すると予想されます。いずれの夜も、21時頃から流星が出現するようになり、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されます。
最も多く流星が見られるのは、13日の夜明け近く(東京では3時台)と考えられ、このときに空の暗い場所で観察した場合の流星数は、1時間あたり30個程度と予想されます。例年よりも数が多くなく残念ですが、ペルセウス座流星群では月明かりに負けない明るい流星も出現しますので、期待しましょう。

なお、昨年の2021年は、極大の約1日半後に、例年の極大時の2倍以上に達する予想外の活動が観測され話題となりました。今年、2022年に地球が同じ位置関係となるのは、14日深夜23時台です。2021年と同じような予想外の極大が起こる可能性は高くはありませんが、もしかしたら予想のできない活動もありうるかもしれません。

流星は、放射点を中心に放射状に出現します。ただ、放射点付近だけでなく、空全体に現れます。いつどこに出現するかも分かりませんので、なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。
目が屋外の暗さに慣れるまで、15分ほどかかります。暗さに目を慣らしながら最低15分以上観察を続けてみてくださいね。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できます。
上ばかりを見すぎて足を踏み外したりつまずいたりしないよう十分に注意し、マナーを守って観察をしてください。

土星が見頃!

土星2022年8月15日に「衝」

環のある惑星として人気のある土星が、8月15日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎えます。「衝」とは、太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。太陽が沈むころに東の空から昇り、日の出の頃に西の空に沈むので、一晩中観察することができます。
土星の環は小さな望遠鏡でも十分確認でき、その興味深い姿を楽しめます。チャンスがあればぜひ、望遠鏡で眺めてみてください。
望遠鏡で初めてあの輪っかを見るときっと興奮しますよ!

月が土星に接近 2022年8月11〜13日 23時頃 東京の星空

土星が衝を迎える前の8月11日から12日にかけて、月が土星に接近して見られます。より近づいて見える12日は、ちょうど満月の日。まん丸く明るい月と比べるとだいぶ控えめに輝く土星ですが、2つの天体が並ぶ様子を楽しんでくださいね。

月が木星・火星に接近!

月が木星、火星に接近 2022年8月15〜19日 23時30分 東京の星空

8月12日から13日にかけて土星と接近した月は、15日に木星、19日に火星と相次いで明るい惑星に近づいていきます。
この時期の木星と火星は、地平線から昇ってくる時刻で比べると2時間半近く違うぐらい離れているのですが、月はその間をわずか4日で移動してしまいます。惑星の位置と月の位置を比べながら毎日観察すると、月が移動していく速さ(地球の周りを公転する速さ)を体感することができるでしょう。
改めて、この広い宇宙の中では月は地球の近くにあるんだと実感してみてください。

宙クリップ

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2022年8月の星空

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