2022年10月の天体情報

10月に入り、日の入りの時刻がずいぶん早くなったことを実感するようになりました。朝と夜の寒暖差も激しくなり、本格的な秋のおとずれを感じる10月。
空が暗くなって間もない頃は、空の高い位置にまだ夏の大三角が見えている一方、東の空は秋の星座たちが占めるようになりました。夜空も夏から秋へと移り変わっていく時期です。
今月は惑星に関連した天文現象に注目しましょう。日が暮れると南の空に土星と木星が見えます。5日から9日にかけて、この2つの惑星に月が近づきます。9日には水星が西方最大離角を迎え、明け方の東の空で比較的見やすくなります。また、宵に東の空から昇ってくる火星が明るく目立ってきました。14日には月が火星に接近します。赤い色の星たちが集まる、夜空の紅葉もぜひ楽しんでください。

2022年10月の星空
1日水星が留
3日上弦
8日寒露(太陽黄経195度)
9日水星が西方最大離角
10日満月
11日このころ、おうし座南流星群が極大(極大は諸説あり。見頃は極大の頃から11月上旬まで。1時間2個程度)
18日下弦
20日土用の入り(太陽黄経207度)
22日このころ、オリオン座流星群が極大(見頃は極大を中心とした前後数日間の夜半から未明。1時間に5個程度。月の条件はまずます良い)
23日霜降(太陽黄経210度)/金星が外合/土星が留
25日新月/部分日食(日本では見られない)
30日火星が留

惑星の見どころ

水星

水星

上旬は、日の出前の東の低空に位置し、9日に西方最大離角となります。東京では6日から13日までの日の出30分前の高度が10度を超え、観察しやすくなります(他の地域でも大きな違いはありません)。6日から13日の明るさは0.0等からマイナス0.8等。下旬は高度が低く、観察は難しいでしょう。

金星

金星

23日に外合となり、以後は日の入り後の西の低空に位置するようになります。見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。

火星

火星

おうし座を東に移動していますが(順行)、30日に留(りゅう)となり、以降は西向きの動き(逆行)に転じます。留のころには、星空の中での火星の動きが止まったように見えます。真夜中の東の空に見え、明るさはマイナス0.5等からマイナス1.2等。

木星

木星

うお座を西に移動し(逆行)、日の入りから1時間ほど経ち、空が暗くなった頃の南東の空に見えます。明るさはマイナス2.9等からマイナス2.8等。

土星

土星

やぎ座を西に移動していますが(逆行)、23日に留(りゅう)となり、以降は東向きの動き(順行)に転じます。留のころには、星空の中での土星の動きが止まったように見えます。宵の南東から南の空に見え、明るさは0.5等から0.7等。

国立天文台Webサイトより引用

月が土星、木星に接近!

月が土星、木星に接近 2022年10月4〜9日 21時頃 東京の星空

10月上旬、とっぷり日が暮れた頃、南の空には土星が、南東の空には木星が見えています。0.5等前後の比較的穏やかな輝きの土星と、マイナス2.9等前後で強く輝く木星は、明るい星の少ない秋の星座を背景に存在感を放っています。土星と木星の中間あたりを下にたどると、みなみのうお座の1等星フォーマルハウトも見つかります。

10月5日から9日にかけて、この2つの惑星に月が近づきます。
5日には、2日前に上弦を迎えた月が土星の下に見えます。翌6日の夜には、月は土星の左まで移動します。
それから2日間経ち8日になると、月は今度は木星に近づき、さらに翌9日になると、木星の左下に移動します。10日に満月となる月は大変明るく輝いていますが、木星もそれに負けない強い光を放っていて、大変目を引く眺めになります。
華やかな月と惑星の競演をぜひ眺めてみてくださいね。

月が火星に接近!

月が火星に接近 2022年10月14日 23時頃 東京の星空

10月の夜半前、東の空では明るくなってきた火星が存在感を増しています。
14日の夜には、月が火星に近づいて見えます。マイナス0.8等の赤い火星は、明るい月の光に埋もれることなく輝いて見えるでしょう。これまで火星をあまり意識していなかった人は、この機会に火星の位置を知ることができます。

火星と月は時間が経つにつれて高度を上げていき、薄明が始まる頃には天頂(頭の真上)近くに達します。
また、火星と月の見かけの距離も時間が経つにつれて小さくなっていきます。ずっと見続けていても距離の変化はわかりませんが、何時間か時間をおいて観察すると、火星と月の距離が縮まっていくのがわかるでしょう。月が、他の天体に比べるととても速く動いているのが実感できます。

15日の夜も月と火星の接近を楽しむことができます。前日とは位置関係が変わっていることに注目してみましょう。今後、火星は12月1日の地球との最接近に向けてますます明るさを増し、10月末には、マイナス1.2等に達します。

赤い惑星の火星、表面温度が低いため赤く見えるベテルギウス、同じく表面温度が低くオレンジ色に見えるアルデバラン。
秋色に輝く夜空の紅葉も素敵ですね。

宙クリップ

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2022年10月の星空

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