暖かくなってきましたが、日没後の空を見上げると、西の空に残った冬の星座を確認できます。
地平線近くの低い所でとても明るく輝いている天体が木星です。空を見上げると、春を代表する星座のしし座、その北側には北斗七星を含む星座のおおぐま座が見えています。
2日 | 下弦 / 水星が留 |
4日 | 清明(太陽黄経15度) |
9日 | 新月 / 皆既日食(日本では確認できません) |
12日 | 水星が内合 |
16日 | 土用の入り(太陽黄経27度) / 上弦 |
19日 | 穀雨(太陽黄経30度) |
22日 | 16時頃、4月こと座流星群が極大(見頃は22日未明と22日深夜から23日未明。1時間に5個程度。月の条件は悪い) |
24日 | 満月 / 水星が留 |
惑星の見どころ
水星
月初は日の入り後の西の低空に見えますが、徐々に高度を下げます。12日に内合となり、以後は日の出前の東の低空に位置します。見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。
金星
日の出前の東の低空に位置していますが、見かけの位置が太陽に近く、観察は難しいでしょう。
火星
みずがめ座を東に移動し、下旬にはうお座に移ります(順行)。日の出前の東の低空に見え、明るさは1.2等から1.1等。
木星
おひつじ座を東に移動し、月末にはおうし座に移ります(順行)。月初は日の入り後の西の空に見えますが、徐々に高度を下げ、月末には観察が難しくなります。明るさはマイナス2.1等からマイナス2.0等。
土星
みずがめ座を東に移動しています(順行)。日の出前の東から南東の低空に位置し、明るさは1.1等。
※国立天文台Webサイトより引用
月が木星、すばるに接近
月が木星とすばるに近づく
4月初旬の夜が更けると、西の空で低く、最も輝いて見えるのは木星(マイナス2.0等)となります。特に4月10日には、木星のちょっと下方に、新月の翌日である月齢2の薄い月が現れます。月齢2の月は細くて捉えづらいため、その姿を捉える機会は珍しいものです。その日は木星を目安にして、その輝きの隣で細い月を探してみると良いでしょう。
次の日、11日には、三日月がプレアデス星団(すばる)の方向に移動していきます。月とプレアデス星団が接近する現象は比較的頻繁に見られますが、満月の頃の月の輝きは強く、そのためプレアデス星団を見失いがちになります。しかし、三日月のような控えめな輝きの時期なら、月とプレアデス星団の両方を同時に楽しむことが出来ます。
ミザールとアルコルを見よう
肉眼で見える二重星、ミザールとアルコルを見よう
4月の夜空を見上げると、真北より少し東側の高い位置に、7つの星で構成される柄杓の形をした「北斗七星」が輝いています。
北斗七星の中でも、柄の部分の先から二番目に位置する星、ミザールの隣には、より暗い星のアルコルがあります。ミザールは明るさが2等星、アルコルは4等星とされており、視力が良い人であれば裸眼で識別可能です。この特性から、昔は視力の良し悪しを判断する手段として用いられたことで知られています。
ミザールとアルコルのように、二つの星が視覚的に近接して見える現象を二重星と呼びます。二重星には、「連星」と「見かけの重星」という二つのタイプがあります。連星は実際に二つの星が互いに重力で結びついている状態、見かけの重星は実際には互いに近くにないが、地球から見た方向が同じであるために重なって見える場合を指します。ミザールとアルコルがどちらに分類されるかについては、まだ明確な答えが出ていません。
星の観察技術が向上するにつれて、ミザールとアルコルは単に二つの星から成る二重星ではないことが判明しました。
望遠鏡が17世紀に発明される前から、ミザールとアルコルは裸眼で二重星であることが認識されていました。望遠鏡の使用により、ミザールがさらにミザールAとミザールBという二つの星から成る連星系であることが明らかになったのです。
19世紀末に分光観測技術が導入されたことにより、ミザールAが実は分光連星であることが明らかになりました。この種の連星は、視覚的には分離できないが、光のスペクトルを分析することでその存在を特定できるものです。現在では、ミザールAのみならず、ミザールBとアルコルもそれぞれが分光連星であると判明しています。これにより、ミザールとアルコルが単なる2つの星のペアではなく、実際には4連星系と1つの連星から成る、計6つの星からなる複雑な系であることが示されたのです。