「死にゆく星が描く“ぼやけたリング”」──NGC 1514 をウェッブ望遠鏡が詳細観測

NASA は 2025年4月21日の画像記事で、惑星状星雲 NGC1514(通称「クリスタルボール星雲」)の最新合成画像を公開しました。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST) の中間赤外線観測により、星雲のリングが“ぼやけた”塵の塊として精細に映し出されています。

画像出典:NASA / ESA / CSA / STScI, Michael Ressler (NASA-JPL), Dave Jones (IAC)/元画像リンク
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“ふわり”と広がるリングの正体

NGC 1514 は約 1,500 光年先、おうし座の方向に位置する惑星状星雲です。中心には9 年周期で互いを周回する白色矮星と伴星があり、過去数千年にわたり放出したガスと塵が複雑なリング構造を形成しています。JWST の MIRI(中間赤外線計測装置) は、このリングをブルー〜オレンジの“ぼやけた”塵の塊として可視化しました。

中央に広がるピンクの“穴あき雲”

星雲中心部のピンク色領域には、高速で噴出した物質が開けた無数の穴が見られます。これにより、リング内部の複雑な流動構造や塵の濃淡が立体的に浮かび上がっています。

多波長合成で解く星の最期

今回の画像は JWST の赤外線データを基盤に、ハッブル(可視光)やスピッツァー(赤外線)の過去データを組み合わせて作成されました。波長ごとの情報を重ね合わせることで、超新星に至る前段階で放出される元素分布や質量放出のメカニズムがより詳細に解析できます。

参考・出典

原文筆者:NASA Webb Telescope Team
翻訳:宙クリップ編集部

宙クリップ

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