3月の夜空では、東の空にしし座やおとめ座といった春の星座が姿を現し、季節の移り変わりを感じさせてくれます。2日には、しし座の1等星レグルスが月に隠される「レグルス食」が起こります。西の空では、しばらく観察しづらかった金星が次第に高度を上げていきます。天頂付近には木星が明るく輝いています。
3日には皆既月食が見られます。ひな祭りの夜、19時頃から月が欠け始め、20時頃には月全体が地球の影に入り皆既となります。天候に恵まれれば、多くの人が幻想的な皆既月食を楽しめるでしょう。
また、20日には春分を迎えます。関東地方などでは、桜の開花の知らせが届き始める時期となりそうです。

| 2日 | レグルス食(日本では鹿児島県南部および沖縄を除く地域で見られる) |
|---|---|
| 3日 | 満月 / 皆既月食(日本全国で皆既食が見られる) |
| 5日 | 啓蟄(太陽黄経345度) |
| 7日 | 水星が内合 |
| 11日 | 下弦 / 木星が留 |
| 17日 | 彼岸の入り |
| 19日 | 新月 |
| 20日 | 春分の日 / 春分(太陽黄経0度) / 水星が留 |
| 22日 | 海王星が合 |
| 25日 | 土星が合 |
| 26日 | 上弦 |
惑星の見どころ

水星
月の初めは日の入り直後の西の低空に見えていますが、7日に内合となり、その後は日の出前の東の低い空へ移ります。太陽に近い見かけの位置にあるため、観察は難しい状況です。

金星
日の入り直後の西の空で、次第に高度を上げていきます。下旬には日の入り30分後の高度が10度を超え、目に留まりやすくなるでしょう。明るさはマイナス3.9等です。

火星
みずがめ座の領域を東へ移動しています(順行)。ただし、太陽に近い位置にあるため、観察は困難でしょう。

木星
上旬はふたご座の領域を西へ移動中(逆行)です。11日に留となり、その後は東向きの動きへと変わります(順行)。留の前後では、星空の中で木星が動きを止めたように見えます。宵の南東から南西の空に輝き、明るさはマイナス2.4等からマイナス2.2等です。

土星
うお座の領域を東へ移動しています(順行)が、25日に合となります。太陽に近い見かけの位置となるため、観察は難しいでしょう。
※国立天文台Webサイトより引用
レグルス食

レグルスが月に隠される様子を観察しよう!
3月2日の日没後、しし座の1等星レグルスが月に隠される「レグルス食」が、ほぼ全国で観察できます。恒星が月に隠される現象は「星食」と呼ばれ、月の縁に星が入り込む瞬間(潜入)と、再び姿を現す瞬間(出現)が最大の見どころです。望遠鏡や双眼鏡で拡大して観察したり、望遠レンズを装着したカメラで撮影したりすると、その変化をよりはっきりと捉えられるでしょう。動画撮影に挑戦してみるのもおすすめです。
今回は、満月直前の非常に明るい月にレグルスが隠されるため、月明かりに目がくらみ、肉眼では見づらい可能性があります。さらに、日没後に空が十分暗くなって星が見え始める頃には、レグルスはすでに月の近くまで接近しています。星が見え始めたら、できるだけ早く月のそばにあるレグルスの位置を確認しておきましょう。
なお、九州南端より南の地域では、レグルスは月に隠れず、星食にはなりません。その地域では、月のすぐ近くを通過するレグルスの様子を楽しんでみてください。
| 地点 | 潜入時刻 | レグルスの高度 | 出現時刻 | レグルスの高度 |
|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 20時23.6分 | 43.5度 | 21時38.5分 | 53.8度 |
| 仙台 | 20時27.3分 | 46.1度 | 21時38.2分 | 57.2度 |
| 東京 | 20時30.6分 | 46.9度 | 21時34.5分 | 57.9度 |
| 京都 | 20時28.4分 | 43.7度 | 21時24.1分 | 54.0度 |
| 福岡 | 20時29.1分 | 40.0度 | 21時07.2分 | 47.6度 |
おもな都市における潜入と出現の時刻は、2026年3月2日レグルス食各地予報 をご覧ください。

皆既月食

ひな祭りの夜に皆既月食を見よう!
3月3日の夜、皆既月食が起こります。この月食は日本全国で観察することができます。
月は東の空で18時50分に欠け始め、20時04分に皆既食となります。皆既中の月は「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる赤黒い色合いに見えるのが特徴です。皆既食は21時03分に終わり、その後は欠けた部分が次第に小さくなっていき、22時18分に南東の空で部分食が終了します。月食の全過程が比較的早い時間帯に進むため、あまり夜更かしをせずに観察できる好条件の月食といえるでしょう。ひな祭りの夜、ご家族で空を見上げてみてはいかがでしょうか。
日本全国で皆既月食が見られるのは、2025年9月8日以来となります。次に全国で観察できる皆既月食は2029年1月1日で、年明け直後の0時7分に月が欠け始めるという、印象的なタイミングで起こります。
おもな都市における予報
| 都市 | 月の出時刻 | 部分食の始まりの月の高度 | 皆既食の始まりの月の高度 | 食の最大の月の高度 | 皆既食の終わりの月の高度 | 部分食の終わりの月の高度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 札幌 | 17時14分 | 16.0度 | 28.6度 | 33.4度 | 37.9度 | 47.1度 |
| 仙台 | 17時21分 | 16.2度 | 29.9度 | 35.1度 | 40.1度 | 50.8度 |
| 東京 | 17時28分 | 15.4度 | 29.7度 | 35.3度 | 40.6度 | 52.2度 |
| 京都 | 17時45分 | 12.2度 | 26.7度 | 32.4度 | 37.9度 | 50.3度 |
| 福岡 | 18時08分 | 7.8度 | 22.6度 | 28.4度 | 34.2度 | 47.6度 |
| 那覇 | 18時24分 | 5.0度 | 20.9度 | 27.3度 | 33.7度 | 49.1度 |
※部分食の始まり(18時50分)、皆既食の始まり(20時04分)、食の最大(20時34分)、皆既食の終わり(21時03分)、部分食の終わり(22時18分)の時刻は、観察地点によらず共通です。
今回の皆既月食に関する情報をまとめた資料を国立天文台が公開しています。
2026年3月3日 皆既月食 解説資料
月が金星に接近

春分の日の月と金星の接近を見よう
3月に入り、夕方の西の空に金星が見えるようになってきました。ただし、まだ高度はかなり低く、日の入りから1時間半ほどで太陽を追うように沈んでしまいます。空が完全に暗くなる前の、まだ明るさの残る時間帯に観察するとよいでしょう。
3月20日の春分の日には、日の入り後に月齢1.3の細い月が金星へ近づきます。月も金星も低空にあり、さらに月は非常に細いため、接近の様子をとらえるには観察する場所やタイミングが重要になります。
西の地平線付近までよく見渡せる場所を選び、日没後できるだけ早く観察を始めましょう。空が次第に暗くなるにつれて、まず金星が見え、その近くに細い月が姿を現すはずです。金星のほうが先に見つかる可能性が高く、そのすぐ右側(北側)に糸のように細い月が並んでいます。時間がたつほど空は暗くなり見やすくなりますが、その一方で高度は下がっていくため、低い雲などに遮られやすくなります。できるだけ低空に沈む前に見つけたいところです。
双眼鏡を使えば、肉眼よりもはるかに探しやすくなるでしょう。
月が木星に接近

上弦の月と木星の接近を見よう
夕方、空が次第に暗くなってくると、西の空には金星が、そして天頂近くには木星が輝いているのが見えます。夜空が深まるにつれて、それぞれの光もいっそう強く感じられるでしょう。3月26日には、月が木星のすぐそばに並びます。この日の4時18分に上弦となった半月の近くで、明るい木星が寄り添うように輝き、ひときわ目を引く眺めとなりそうです。月と木星は、真夜中を過ぎて沈むまで、その並んだ姿を楽しむことができます。

