NASAは2025年5月2日、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた不思議な形の渦巻銀河「NGC 4731」の画像を公開しました。この銀河はおとめ座の方向、約4300万光年先に位置し、その歪んだ腕は近隣銀河との重力的な相互作用によって形成されたものと考えられています。

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ねじれた銀河の中で星々が生まれる
この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の広視野カメラ3(WFC3)によって取得されました。NGC 4731の曲がりくねった腕の中には多くの星生成領域が確認できるほか、中心部は比較的整った円形構造を保っており、銀河の力学的複雑さが垣間見えます。
おとめ座銀河団に属する巨大構造
NGC 4731は「おとめ座銀河団」に属しており、約1300の銀河が重力によって結びついた巨大な銀河団の一部です。そのなかで、NGC 4731のように形が歪んだ銀河は、他の銀河との接近や衝突によって構造が変形することがあります。
このような観測は、銀河進化の過程を理解する上で重要な手がかりとなります。特に星生成の活発な領域と銀河の構造変化の関係を探るうえで、ハッブルの観測は貴重なデータを提供しています。
参考・出典
- NASA Science(2025年5月2日)
https://science.nasa.gov/missions/hubble/hubble-images-a-peculiar-spiral/ - 画像出典:NASA/ 元画像リンク
翻訳:宙クリップ編集部